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池田理代子の聖徳太子コラム 2004年11月15日に読売新聞社主催の世界文化遺産登録10周年記念シンポジウム 「法隆寺の歴史と聖徳太子の周辺」が開催され、池田理代子はパネリストとして出席。 この時のパンフレットを見つけた方の報告(516、535~536)。 (536のヘッダは省略して引用部分を連結した) 516 名前:マロン名無しさん[] 投稿日:2008/05/10(土) 10 55 01 ID 4fSTdISo リヨタンH15.11/15に行われた 「法隆寺まのると聖徳太子の周辺」ていうシンポで パネリストとして出てる。 (ちなみに梅原猛さんが基調講演してる。) 法隆寺近辺のサ店に パンフが置いてあった! 535 名前:516 1/2[sage] 投稿日:2008/05/11(日) 22 26 21 ID ??? 平成15年11月15日 「法隆寺世界文化遺産登録10周年記念シンポジウム 法隆寺の歴史と聖徳太子の周辺」プログラムより 「聖徳太子に心をはせて」:劇作家 池田理代子氏 大阪・四天王寺の依頼で、同寺創建1400年を迎えた1993年に 劇画『聖徳太子』を出版しました。 四天王寺も法隆寺と並んで太子ゆかりの寺。「子どもたちにきち んとした太子伝を」と言われ、ずいぶん資料を調べて書きました。 それまで太子に対する日本人のイメージは一万円札での姿で 見るように、厳格な聖人でした。 でも大変悩みの多い人だとわかりました。1400年も前に新しいこと を数々成し遂げました。仏教を取り入れ、遣隋使を送り、憲法を作 りました。日本という国にとって初めてのことをやり遂げるという、 ある意味、大変な跳ねっ返りで新しいもの好きのコスモポリタンでし た。これまでの太子像と違うものが浮かび上がりました。 とんでもない目新しいことを言う。反発や驚きは大きかったでしょう。 でも立派に実行しました。 蘇我馬子や推古天皇が大きな力になって、三本立て路線で、斬新な 改革が出来たと思います。 三人の重要な役割を私なりに理解して漫画に描きました。 太子の血統は絶えました。でも太子の精神は受け継がれています。 生前も慕われましたが、残したものは大変多く、とくに日本人にとっての 道徳的な基盤を築いた功績は計りしれません。 一万円札から聖徳太子の姿が消えて凶悪犯罪が増えた、と言う人さえ いるほどです。 法隆寺は、世界最古の木造建築が今も残っていることに文句なく感動 します。建築や美術の面での意義は計り知れません。世界文化遺産に 登録されて、まだ、たったの十年だったかという感じ。これからもしっかり と伝えていってほしいですね。 父の故郷が奈良県高取町で、実はそこに私のお墓もすでに用意していま す。ですから奈良や、近くの飛鳥には特別の思いがあります。魂が帰って いく場所のような気がします。何かに包まれているような気がします。 「気」が違います。花や木が力強く生え、大地の持つ力が強い。バイタリ ティを感じます。 飛鳥は韓国語の安住の地「安宿」が語源との説があります。古代に渡来 人がたくさん住みました。慶州の景色に似ていますね。 これだけ技術が発達し、科学が進歩した今の時代、宗教はますます人間 にとってなくてはならないものになるでしょう。しかし、それを正しく子 どもたちに教えていない。生活に根ざしていない。宗教の持ち方、進行の 持ち方をきちんと教えることが大切です。そういう意味で、仏教を中心に 据えて活躍した太子に目を向け、学ぶことは大変意義深いことですね。 tp //ccfa.info/cgi-bin/up/src/up18841.jpg 539 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2008/05/11(日) 23 37 08 ID ??? 「子どもたちにきちんとした太子伝を」と、ずいぶん資料の処天を調べてぱくりました。 540 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2008/05/11(日) 23 46 21 ID ??? きちんとした太子伝→「元号は推古」ですか。。。 544 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2008/05/12(月) 03 09 36 ID ??? 535 536 なんか言ってることが山岸凉子のインタビューと似てる。 池田理代子の方が全然エラそうだけど。 545 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2008/05/12(月) 03 14 33 ID ??? 特に「太子と言えばそれまでは一万円扎のイメージだった」、 「私はこれまでとは違った太子のイメージが浮かんだ」 という意味の内容は、山岸凉子が既に発言してるんだけど…。 他の人が「一万円扎の太子のイメージを山岸凉子が変えた」と 評価した記事よく見たし… 551 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2008/05/12(月) 19 59 29 ID ??? 535 「子どもたちにきちんとした太子伝を」 と言われて描いたのが女顔で長髪に生花付けた超能力者の太子なのかw 一万円札から聖徳太子の姿が消えて凶悪犯罪が増えた、と言う人さえいるほどです。 この根拠の無い例えは何w 一万円札から太子が消えた1984年以降の凶悪犯罪は増えてるどころか減ってるよ。 殺人認知件数なんか戦後最低記録を更新中だ。 ttp //pandaman.iza.ne.jp/blog/entry/515564/ シンポジウムの聴衆を馬鹿にしてるのか? いや、それとも話してる方が(ry シンポジウムで司会をしたアナウンサーが所属する会社のサイトに 紹介記事があります(PDF)。 ttp //www.ac-gr.co.jp/kiraboshi/0403sp/0403sp02.pdf
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「ふんふんふ~ん♪」 「あ、お姉ちゃん。何やってるの?」 「お~、ゆーちゃんまだ起きてたんだ?」 「むー、まだ9時だよう!お姉ちゃん子供扱いしすぎ~!」 「あはは~、ゴメンゴメン♪」 「も~。…それで、何してるの?」 現在時刻は2月13日、午後9時を少し回った頃。 私は今、日課となっているネトゲもしないでキッチンに立っていた。 その理由は、 「ふっふっふ、もちろんチョコレートを作ってるんだよ~」 「ええ、すご~い!お姉ちゃんは手作りチョコ渡すの!?」 「そだよ~♪私の愛がしっかり伝わるようにね♪」 「あ、愛……。お姉ちゃんって好きな人いたんだ…?」 顔を真っ赤にして、モジモジしながらゆーちゃんは私に尋ねてきた。 いいね~、すごく可愛い!萌えるね~! まあ、ゆーちゃんの考えてるようなことじゃないんだけどね。 「ん~、男の子にって訳じゃないけどね。私があげるのは、私の嫁にだよ~」 「えっ?お嫁さんってもしかして…かがみ先輩のこと?」 うおっ、一発で気付かれるとは…もしや既に公認の仲に!? むふふ~、日頃から『かがみは私の嫁!』って言い続けた成果かな? ゆーちゃんと話しつつ、私はチョコを完成させていく。 固める前の最後の仕上げとして、特別な液体を加えて、と…。 ふふふ、これを食べたかがみは…! 想像しただけでも笑いが止まらないね♪ 「よーし、完成!後は冷やすだけだ~」 私の愛を込めたチョコを冷蔵庫に入れた私は、気になっていたことを尋ねてみることにした。 「そういえばゆーちゃんは誰かにチョコとかあげないの?」 「えええっ!?わ、私にはそんな人いないよ~」 またもや顔を赤くして、首をブンブン振りながら否定するゆーちゃん。 「いや~、私みたいに相手は男の子じゃなくてもいいんだよ?たとえば~、……みなみちゃんとか?」 「み、みなみちゃん、に…?」 顔を真っ赤にしたまま何か考え込むゆーちゃん。 きっと今、ゆーちゃんの頭の中ではみなみちゃんとのラブラブなお話が展開されてるんだろね♪ 「お姉ちゃん、私もチョコを作るよ…!」 しばらくして、ゆーちゃんは決意に満ちた顔で私にそう告げた。 そうこなくっちゃ! 「よ~し、私にまかせたまへ~」 こうして、私が作ったものと同じチョコの作り方をゆーちゃんに伝授し、日付が変わる頃に寝床についた。 決戦は明日だ!待ってろよ~、かがみん! そして翌朝。 久しぶりに早起きした私は、いつもよりかなり早く学校に着いた。 うう、興奮して待ちきれなかったなんて、どこぞのギャルゲのへたれ主人公みたいだね…。 よし、とにかくかがみにチョコを渡すまではいつもどおりの私でいないとね! 「まったく…。毎年思うんだけど、一年の中で今日だけはえらく空気が色めくわね…」 「そだねー、今日はバレンタインデーだからね」 「そもそもバレンタインというのは(ry」 時はあっという間に流れ、昼休み。 私たちはいつもどおり四人で昼食をとっていた。 みんなの話を聞き流しつつ、私はどうやってかがみにチョコを渡そうか考えていた。 むむ、渡すときのシチュはあまり考えてなかったからなあ…。 「そ、そういえばこなたは誰かに渡さないの?」 おお、大チャンス! かがみからわざわざそんな風に聞いてきてくれるなんて! 素早くこれからの展開を計算し、最適な返答を導き出した私は、少し真剣な顔でかがみに答えた。 「うん、今年は本命チョコをあげるつもりだよ」 「えっ、アンタが!?で、でもどうせネトゲ仲間とかにでしょ?」 「ううん。この学校の人だよ。私の一番大切な人にあげるの」 「……。そ、そうなんだ…」 悲しげに顔を歪ませ、俯くかがみ。 くあ~~~~っ、可愛い! すぐにでも抱きしめて告白したいけど、ここは我慢の時だ…! こうしてさらに時間が過ぎていった…。 その間につかさやみゆきさんからチョコを貰ったけど、特に気にするようなことでもないので詳しくは述べない。 「ねえ、ゆきちゃん…。私たちの扱い、なんかひどくない?」 「そうですね…これでは私たちは、さながら背景ですね」 「バルサミコ酢!?」 「そもそも背景というものは(ry」 「どんだ(ry」 放課後、誰もいない教室で私はかがみと対峙していた。 ここに至る経緯は、説明がメンドイので省略する。 とにかく、ついにかがみに告白するときが来たんだ…! 「いったい何なのよ、こんなとこに呼び出して」 かがみが私に尋ねる。 昼休みの会話イベントのおかげか、私の意図には気づいていないようだ。 「実はかがみにね、大事な話があるんだ…」 「な、なによ…?」 いつもの猫口もやめ、真剣にかがみに話しかける。 「これをかがみに受け取って欲しい」 そう言って差し出したのはもちろん、私の手作りチョコ。 「こ、これを私に…?それってまさか…」 「とりあえず食べてみてくれない?私、一生懸命作ったんだ…」 「う、うん」 そう言って、チョコを食べるかがみ。 …計画通り。 私はニヤニヤしそうになるのを必死にこらえた。 「おいしいわね、このチョコ」 「うん、かがみのことを想って作ったんだ」 「こなた…」 「私は、かがみのことが好き。かがみは私のこと、どう思ってるの…?」 ついに私は、かがみに告白した。 これも計画通り。 …だけど、かがみがOKしてくれるか、少し不安だ。 「こなた…、私も、その…。こなたのこと、好きかも…」 「本当にっ!?やった~~~~!」 ああ、世界が輝いて見えるヨ! 顔を真っ赤にして、『好き』の後に『かも』とかつけるのもかがみらしくて物凄く可愛いね♪ 「かがみ~~~~ん♪」 「ちょ、ちょっとこなたあっ!?」 我慢できず、私はかがみに抱きついた。 ああ、幸せえ…。 どのくらい抱き合っていただろうか。 かがみの腕の中から見上げると、かがみは切なそうな表情で顔を赤くしていた。 ふふふ、効いてきたみたいだね。 「こ、こなたあ。私なんだか…」 私を抱きしめたまま、身じろぎするかがみ。 私はゆっくりとかがみに覆いかぶさり、服を脱がせ始めた。 「あっ、やめなさいよ…」 「かがみ…んっ」 「んむ!?あ…、ん……」 弱々しく抵抗するかがみをキスで黙らせ、私はかがみの体を弄る。 「あひゃっ!?な、なんでこんなに…ああんっ」 「なんでこんなに感じるのかって?ふふ、さっき食べたチョコにね、あるものが入ってるんだ…♪」 「えっ、それって…んんっ」 「さ~て、どうかな~?まあとりあえず、一緒に気持ち良くなろ♪」 こうして私とかがみは、夢のような時間を過ごした。 「まったくかがみんはエッチだなあ~、あんな風になっちゃうなんてさ~」 数十分後、私たちはすっかり暗くなった道を歩いて帰宅していた。 「あ、あれはアンタが変なもの入れたチョコを食べさせたからでしょっ!私のせいじゃないわよ!」 「へんなもの?あれ、ワインは入れたけど、エッチになっちゃうような薬はいれてないよ~」 「ええっ!?」 そう、私はあのチョコには特に変なものは入れていない。 かがみの体が火照ったように感じたのは、アルコールのせいなのだ。 すべてかがみを素直にさせるための作戦ってやつだね♪ 「かがみんは本当はエッチなんだよ~。大丈夫、そんなかがみんも私は愛してるからね♪」 決まった、完全に作戦成功だ。 これで完全にこなた攻め、かがみ受けの関係が成立したはずだ。 ついに私はこなた総受けの風潮を止めたんだ…! あとはかがみが『ち、違うわよ!私はそんなんじゃないんだからね!?』とかいう風に否定してくれれば完璧だ。 しかし次のかがみの台詞は、私が考えていたものと大きく異なっていた。 「そっか…。私ってエッチなんだ。で、こなたはそんな私が好きなんだ…」 「ふえっ、あれえ?」 「なーんだ、じゃあもう我慢する必要ないじゃない」 「ど、どしたのかがみ?」 私を見つめるかがみの顔は、怖いくらい満面の笑みだった。 「こなた」 「な、なに…?」 身の危険を感じ、一歩下がる。 「こなたあああああああああああああああああああっ!」 「うにゃああああああああああああああああああっ!?」 かがみにいきなり襲い掛かられた。何このイベント!? 「はあう~可愛い~お持ち帰り~~~♪」 「ちょ、かがみ、一体なにーーー!?」 「こなた…、たっぷり可愛がってあげるからね(はあと)」 「えええええっ!?だ、だから私は攻め希望なんだってば~~~~!理不尽だ~~~~~~~!」 そして私はそのまま柊家に連れ込まれ、一晩中責められ続けた。 うう、どうしてこうなるの…? 余談ではあるが、ゆーちゃんも何故かその日は家に帰ってこなかったらしい。 コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-04-16 21 02 01) ゆーちゃんも速攻でお持ち帰りされたのですね -- 名無しさん (2011-05-05 07 27 49) >>ゆーちゃんも何故かその日は家に帰ってこなかったらしい。 めっちゃワロタww -- 百合は世界を変える!! (2010-10-24 11 30 41) かがこなはこなた総受けがデフォでしょ( ̄▽ ̄) GJ -- ユウ (2010-04-02 03 09 06) 何をしても、結局総受けから逃れられないこなたカワイソスwww -- 名無しさん (2008-12-09 22 30 43) こなたさんの総受けはいいですね、そもそも総受けの由来というの(ry -- ミウィ希 (2008-03-14 22 26 39) この人のシリーズのみゆきの扱われ方が好きです。 -- 名無しさん (2008-03-14 22 16 35)
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ゆき★こな(黒かがみ)② あの時の、みゆきの顔が忘れられない 涙を流して、体を震わせてもなお枯れた声で「終わりたくないです」とつぶやき続ける顔を 目の前の少女は陵桜学園屈指の秀才である高良みゆき 頭脳明晰、品行方正、可憐清楚、運動神経も良く人望も有る そんな彼女が見せる弱弱しい一面 「私はこなたさん無しではいられません」 その言葉は真意であろう むろんこなたもその気持ちは同じだ だから、お互いに愛し合っているからこそ苦しんでいるのだ 『あんな事、みゆきさんには知られたくない』 その思いゆえのすれ違いだ 結局、話はまったく進まず しばらくお互いに距離を置き改めて話し合うという形で、二人は喫茶店を出た みゆきは泣きはらした顔のままでは流石に登校できないのと 今の気持ちで学校に居たくないという理由でそのまま自宅に帰る事にした こなたはみゆきを駅まで送り、そのまま重い足取りで学校へ引き返す 雨雲がゴロゴロと唸りをあげて雨粒がこなたをぬらし始めた 外は大雨、授業は既に始まっており無人の昇降口に少女は佇んでいる 「……。」 学校に来てはみたが、全身水浸しで着替えは体操着のみだ だが無いよりはマシだろう こなたはそのまま屋上の入り口へと向かい、とりあえず体操着に着替える事にした 幸いタオルと汗をかいた時用の下着の替えがあるのでブラが透けたり風邪を引くことは無いだろう 屋上の扉を背にして、濡れた肢体の雫を払い気持ちを落ち着ける 「随分早いお帰りじゃないの?」 不意に背後から声がした 「かがみ!?」 「ふふ…」 まったく気配を感じなかった いや、恐らくこなたにそれ程の余裕が無かったのだろう 「今は授業中なんじゃないの?」 「そんな細かいことよりさぁ…」 かがみはこなたに詰め寄り、好奇の眼差しをこなたの視線と交える 雨の雫を拭ったばかりの少女は体操着をまとった体を腕で抱き、震える 「ちゃんと話した?それとも別れてきたの?」 「…。」 「何よ、あんた意外と意気地なしだな~。とっとと言っちゃえよ」 「もう、…私に近づかないでよ」 こなたは必死にかがみへの抵抗を試みるが かがみはニコッと笑ってこなたの手を掴んだ 「ふーん」 「イヤ!」 こなたは腕を振りほどこうとするが、かがみはそれを許さない そのままこなたを壁際に追い込む 「何がイヤなの、こんな事されるのが?」 「やめてよぉ…」 「それともこんな事?ねえ、聞いてるでしょ?」 「いやぁ…もうやめてよぉ」 かがみはこなたの体をまさぐり、反応を楽しむ 「ねえ、聞かせてよ。あんたの口からさぁ、何がイヤなのか私に聞かせてよ♪」 「うう…」 「あ、ちょっとぉ…泣かないでよ~私とあんたの仲じゃないの☆」 仕舞いにはこなたは泣き出してしまい、床に崩れ落ちてしまう かがみはニヤニヤと笑いながらこなたの顔を眺め、愛でた だが、しばらく経っても返事が返ってこないのでつまらなそうに立ち上がると 意外な言葉が彼女の口から発せられる 「…しょうがないなぁ…やめて欲しいの?」 「…。」 こなたは無言で頷く かがみは困ったような顔を造って見せ、続けた 「じゃあ、最後に私のお願いを聞いてくれるなら良いわよ?」 「…お願い?」 「そ、お願い☆だって、私のライフワークが減るんだから当然でしょ?」 「…。」 実に身勝手な話だが、受けざるを得ない条件だろう ともあれその条件さえ飲めば開放されるのだ、こなたに少しだけ光が見えた気がした 「ま、後でメールするわ」 「…。」 「じゃ、私はそろそろ教室に戻るからね。あんたも早く行かないと心配されちゃうわよ~」 いったいどんな条件を出してくるのだろうか… 後に残されたこなたは濡れた制服を袋に入れて、教室へ向かった 『最後にさ、恋人みたいに甘い時間を私に頂戴。場所は…返事はいつでもいいからね、待ってる』 数日後、かがみからのメールが届いた 内容は、自分はこなたの事が大好きでみゆきと一緒にいるのが嫌だった だから思わず嫌がらせをしてしまった、許してほしい というものだ。 そして、最後に一度だけ恋人の様に私を愛するふりをしてくれれば金輪際こなたには手を出さないし こなたさえ良ければもとの友達に戻りたい、との内容。 どう受け取ればいいのだろう? かがみが自分とみゆきの関係を快く思っていないのは前々から感じていたし つかさや周囲の人間たちもそれはわかっていただろう 恐らく気が付いていないのは人を疑うことを知らないみゆきくらいのものだ 『どうしよう…』 考えては見たが選択の余地は無かった この条件を飲まなければ一生涯かがみに二人の関係を邪魔されるであろう おそらく自分のみではなく、そのうちみゆきにまで被害が及びかねない こなたは答えのない悩みを抱えて数日を過ごす あれからみゆきは普通に自分と接してくれる 喫茶店で別れた翌日は欠席したもののその次の日からは登校して こなたの顔をみるなり真っ先に挨拶をしてくれて 「取り乱して申し訳ありませんでした」と頭を下げてキスをした後 公衆の面前であるにも関わらず 「誰にでも悩みは有りますものね、ゆっくり解決していきましょう」 とこなたを優しく抱きしめた 校内の生徒は口をポカーンとあけて眺めるばかり きっと写メや動画をとりたくなるような心境だったであろう 男子は歓喜し、女子は指の隙間から二人を眺める つかさは顔を真っ赤に染め上げて、自分とななこもこうなりたいと考えた そして、かがみは… みゆきは本当に吹っ切れたのか、それともこなたを気遣って強がっているのか 恐らく後者であろうが、こなたはその行為自体がとても嬉しかった 最近のみゆきは習い事を休んでこなたとの時間を増やし、 二人は沢山を会話した ご飯やスイーツの店を回って食べ歩きをしたり ゲマズやメイトにまで一緒に来てくれた そして帰りは戦利品を手提げに入れて、二人でシェイクを飲みながら談笑した そこにはかがみに汚される以前の二人の関係が戻ってきていた…かの様に見えるのだが ふと、こなたが思いつめた様な顔になる 「…みゆきさん」 「はい?なんでしょうか?」 みゆきはきょとんとした顔でこちらを見る 自分が今どんな顔をしているのか、みゆきの顔を見れば解る 恐らくあの喫茶店のときと同じ顔だ 「あ…えと…」 「大丈夫ですか?お加減が悪いんですか?」 「うん、そ、そうなんだ…はは」 「そうですか、今日は少し歩きましたからね♪このあたりで戻りましょうか」 みゆきは気が付いているだろう、こなたがまだ自分を怖がっていることを それでも気が付かないふりを続けて、自分への態度には一切出さない こなたは感じていた、みゆきの愛情を…痛いほどに 『失いたくない』 人ごみの中には家路を目指す二人 みゆきは具合が悪いこなたの手を握り、駅へと向かった こなたとみゆきはいつもこの駅で別れる、忌々しいが電車のホームが反対方向なのだ 別れは惜しいが、仕方の無い事だ みゆきはこなたに「お大事に」と笑って、名残惜しそうにお辞儀をする こなたはみゆきに抱きついてキスをした どうしてそんな事をしたのか解らないが、とにかくそうしたかった 二人の周り、そこだけ時間が止まる 1秒 2秒 3秒 … 長い…永いキス こなたからするキスは久しぶりだ みゆきはこなたを抱きしめそれを味わい、堪能する、吟味する みゆきの長い髪が見事に二人の空間を作り出していた しかしここは駅の中、好奇の目で見る者も居る それでもお構い無しに愛の確認作業を続ける二人 ジリリリリリリリリリリリリリリ~ 「ぷはぁ…」 「ふぅ…」 ベルの音を合図に二人の唇は離れ、唾液が糸を引く こなたはエヘヘと笑う みゆきは涙を拭って満面の笑顔を向けてくれた 「「また明日」」 今ならなんでも出来る、みゆきさんの為ならなんでもする ここ数週間噛み合わなかった二人の心が、繋がった気がした その日の夜、かがみは携帯に届いた一通のメールを見てニコニコと笑う 「お姉ちゃん、嬉しそうだね~。何かいいこと有ったの?」 「そーいうアンタこそ嬉しそうじゃない?」 かがみは携帯をパタリとたたんでポケットにしまうとつかさの方へと顔を向けた つかさはキッチンでクッキーを作っている 「えへへ~解る?実はね~…」 「何よ~、早く言いなさいよ☆」 「黒井先生と私付き合うんだ♪」 「ええ!?あんたマジで告白したのか…って言うか先生も良くOKしたなぁ」 「で、先生甘いの好きだって言うから…」 「クッキー焼いてる訳だ★あんたも乙女ね~」 かがみは嬉しそうにななこの事を話す妹を笑顔で眺める 姉の視線に気が付いたのか、つかさは照れ笑いをした 「そーいうお姉ちゃんはどうなの?誰かいないの?」 「ん?私はね…うふふ、内緒★」 「ブー、お姉ちゃんずるいよ~」 「イッタダキ!」 「あ!駄目~!」 「美味しいじゃないの♪これなら先生もイチコロね☆」 「え、そ、そうかなぁ!?」 「バッチリよ!」 何気ない姉妹の会話、きっとこれがかがみの本来の姿なのだろう だが、つかさは気が付いていた 姉が何かよからぬ事を考えているのを察していた 何かが違う…だが、それが何なのか解らない つかさは数日後にその招待を知る事になるのだが…… 後につかさは「あの時、もっと姉の行動に注意しておけば良かった。」と語っている 「こなた、お待たせ♪」 「かがみん…」 誰もいない放課後の体育倉庫、窓が夕焼けの空を映し始めた頃で 部活をやっている生徒たちも試合を控えた者達以外は既に帰ってしまった 残っている者達も体育倉庫を使用する部活には所属しておらず みゆきとこなたの関係を知るもの達の目から逃れるには絶好の隠れ家という訳だ 勿論この場所を選んだのはこなたではない、かがみが指定してきた場所である 幸い、みゆきも「用事がありますので、先に失礼します」と一足先に教室を出て行った為 心配することは無い あとはかがみの気が済むようにしていれば、もとの日常に戻れる 『だから、我慢しなきゃ』 こなたはどんな事でも乗り越える覚悟を既に決めていた 「ほうらぁ、なにやってるのよ。入って入って♪」 「あ、ちょっと…」 「解ってると思うけど、私とあんたは恋人なんだからね?」 「う、うん」 「嬉しい☆ねえ~こなた~」 「ちょ…」 かがみはこなたの腕を取り、体育倉庫の中へと押し込めると強引にキスをせがむ 「こなた、私のこと好き?」 「え…?」 「ねえ、好きって言って♪」 「す、好きだよかがみん…」 「大好き?」 「大好きだよ」 「もっと大きい声で言ってよ☆」 「大好きだよかがみん!」 「嬉しい★私もこなたが好き!大好き!!」 「むぐう!あ…んん…ぷは!」 こなたはかがみに羽交い絞めの様にされながら唇をふさがれ、身動きが取れないでいる かがみは「こなた、こなた好き」などと何度も何度も呟きながらこなたの唇に吸い付く そして、手は下着の中に滑り込みいつもの様にその柔肌をまさぐった 「ほら、こなた喜んでよ、恋人があんたを求めてるのよ?ねえ、気持ち良い?」 「う、うん。気持ち良いよ」 『言った通りに恋人に成り切れ、さもないと…』かがみの言葉はそういう風に聞こえる 「ねえ、ほらこなたも私のしてよ~」 「え…」 こなたは戸惑う、いつもかがみに弄ばれてばかりだったのでどうしたらいいのか解らない どうすればいいのか エロゲの様に強引に行けばいいのだろうか? こなたは思い切ってかがみのスカートの中に手を潜り込ませて、縦に走る溝を抉るように擦った 「あひ!」 かがみの口から切ない声が漏れると同時に、かがみの下着のなかから液体が溢れてきた 腰をくねらせるツインテールの少女はこなたの手を取り、さらにスカートの奥、下着の中へと導く そして、さらに感度を上げていった 「ああ、こなたぁ…もっと」 「はあ、はあ、かがみん気持ちいい?」 「気持ち良いわよ、こなた。あんたも良くしてあげるからね♪」 「…うん」 「ほら、いつもみたいにして欲しいでしょ?気持ち良くして欲しいってお願いしてみなさい」 「き、気持ちよくして…」 「…はぁ、あんたそんなんで気持ちが伝わると思ってるの?もっと、おねだりしなさいよね」 こなたは少し考えた後で、恥ずかしさを何とか抑える 『みゆきさんのため、みゆきさんのため、みゆきさんのため』 「かがみん、こなたを気持ち良くして、お願い…」 「ん~、どうしよっかな~…あんたはどう思う?」 かがみはニヤ~っと嫌な笑みを浮かべる 「ねえ?みゆき?」 「え…?」 空気が冷たい 背筋が凍って動けない 血の気が引いた どんな言葉を使っても表現できない感覚というものが、やはりこの世にはある かがみの見つめる方向は闇 「今なんて言ったの…?」 「あら、聞こえなかった?」 こなたの心拍数は上昇しガタガタと体が震えだした 聞き間違えで有って欲しい、夢であって欲しい そうだ、これは悪い冗談に決まっている 「冗談だよね?嘘だよね??」 「さあ、どうかしらね…自分で確かめてみたら?」 嘘だ、嘘に決まってる… こなたは神に祈った、そして目を瞑り呼吸を整えると思い切って後ろを振り返る 「……!!」 「ふふ…」 そこには 闇が広がるのみで、人影など無い こなたは安堵の為からか膝が折れてしまい、ヘナヘナと座り込んだ 「あは、あはははははははは!!こなた、あんた可愛いわね~♪」 「…。」 やはりいつもの悪質な冗談 そうだ、こんな所にみゆきが居る訳がない 体育倉庫も鍵を開けたのは自分だ、その前からみゆきがそこにいるなんて考えにくい いや、有り得ない事だ こなたは胸を撫で下ろして、大笑いしているかがみを睨み付ける 「はぁ…おなか痛いわぁ。あんたって本当に純情っていうか、素直って言うか☆」 「はは…」 「こんな狭い所にみゆきが居る訳ないじゃないの、普通考えれば解るでしょう?」 「う、うん…そだよね」 「だって、みゆきはずーっと扉の前に居るんだもの♪」 「…?」 耳を疑った 『扉が何?』 「みゆき~もう入ってきたら?」 かがみの声から数秒経った後に、体育倉庫の重い扉が開かれる 扉の前に立っていたのは紛れも無く 「嘘…みゆきさん、なんで…」 「こなた…さん…」 どう表現すれば適切なのか…喜怒哀楽のどれにも当てはまらない表情がそこにある 「私が呼んだのよ、こなた♪」 かがみは泣き出しそうな半裸のこなたを抱きしめて、みゆきに笑いかける 今のこなたはそれに抵抗するという行動すらとる気力が無い 「これで解ったでしょ?私とこなたの関係がさぁ☆」 「そんな…こなたさん、なんで?」 「ちがっ…んふ!?」 「んん、こなたぁ♪」 「…。」 かがみはみゆきの目の前でこなたの唇を塞ぎ、こなたの言葉を遮った みゆきは呆然と佇むのみ、何も言葉を発しようとはしない 『話せば解ってくれる…』 こなたはかがみを突き飛ばして、みゆきの方へと駆け寄った 「みゆきさん、違うの…違うんだよ!」 突き飛ばされたかがみは打ち付けた腕を押さえながらも、余裕の表情を二人に向けた 『きっと、みゆきさんは解ってくれる。そうに決まってる』 こなたは優しく抱きしめてくれるみゆきの姿を想像した 自分が、みゆきとの関係を守るためにしてきた事を伝えれば きっと、彼女は自分を暖かく迎えてくれる。そう思い、必死にみゆきへ縋りついた 「これは…」 バチン!!…ドサ 「あ…。」 「……許しません…」 こなたは右の頬に痛みを感じている 何故?どうして?自分はみゆきに抱きしめてもらう筈だったのに 何故自分は倒れているのだろうか… 「みゆきさん…?」 こなたはみゆきの初めて見る表情に困惑しながらもみゆきの方へと這って行く 「みゆきさん…聞いてよ…お願いだよ、みゆきさん」 「…。」 足へと縋り、体に手を回し、手を握るが 向けられるのは暖かい眼差しではなく、氷の様に冷たい瞳 こなたはみゆきの唇に自分の唇を重ねた 『きっと、解ってくれる。そうに決まってるよ…』 ドン!…ドサ 「…い!みゆきさん…」 「…触らないでください」 だが、儚い期待はみゆきの拒絶によって一気に砕け散りこなたは無残にも冷たい床に崩れる この光景を眺めるかがみは嬉しそうだ 「え…?」 「汚い手で触らないでくださいと言っているんです」 「そんな…」 「私はあなたの事を本気で好きだったのに、私の心を弄んでいたんでしょう?」 「違うよ!聞いてよ、みゆきさん!」 「いいえ、聞きません…今だってこんな私を見て笑っているんでしょう?」 「そんなこと無いよ!違うよ!!」 「だったらどうして!?…」 今までに無いみゆきの声にこなたは一瞬たじろいだ 「どうして貴女はかがみさんと一緒にいるんですか?」 「そ、それは…」 「…良いんです…言い訳なんて聞きたくありません…」 「そんなぁ、そんなの酷いよ!」 「酷い?どの口がそんな事をおっしゃっているんですか?」 みゆきの瞳がさらに冷たく、鋭いものへと変わった 「こなたさん、貴女には愛想が付きました…金輪際お付き合いは無いと思ってください」 「嫌だよ…お願い!」 「それでは失礼します。それから、こなたさん…二度と私の名前を呼ばないでください」 「みゆきさん!待って!!」 「…。」 「みゆきさん…」 みゆきは懇願し許しを乞うこなたを背に、 ただの一度も振り向く事無く、無言でその場から去る あとに残されたのは、涙を流し悲しみにくれるこなたとかがみの二人だけ 「ぅ…うえええ、ぐじぃ…みゆきさん…うう…」 こうして、かがみの思惑通りに二人の関係は最悪の終わりを告げる事となる 「可愛そうなこなた…ふふ、ほんと…………いい気味だわ……」 そしてこなたの幸せは終わり終焉の幕がゆっくりと… 「こなた、おはよう…今日も学校には行かないのか?先生からも電話が有ったぞ…」 「…うん、具合悪いから今日も休みたい」 「そうか…」 こなたはみゆきと破局していらい学校に行っていない それどころか食事も喉を通らず、水しか口にしていなかった いや、正確には水以外の物を体が受け付けないのだ 食べても何も味はしない 飲み込んでも吐き気がしてもどしてしまう 食欲も無い 動きたくない 何もしたくない こなたは布団に潜り込んだまま動こうともしない そうじろうは何か言いたそうだったが、それを飲み込んで部屋を出た きっと何か悩みが有るのだろうが、自分が口を出すことでは無い気がしたのだ 『かなたさえ居れば…』 十数年間そう思った事はあれども、今日ほどそれを痛感した事は無かった 『やっぱり、再婚するべきだったかな…』 こなたも年頃の娘だ、男親に話せない悩みくらいは有るに決まっている 今はそっとしておいてやろう、とそうじろうも黙ってこなたを休ませた 一方、こなたはベットに突っ伏したまま動かない たまに動けば、みゆきとの思い出が詰まったアルバムを眺め まだ恋人同士だったころのみゆきにメールを見ては涙で枕を濡らした 携帯のメールも幾度もセンター問い合わせでチェックをするが、 返ってくるのは『新着メール無し』のメッセージとかがみやつかさのメールだけ 優しいつかさは心配して「大丈夫?」や「早く元気になって」とメールを送ってきてくれるが かがみは…体育倉庫や屋上、教室などの『自分たちの思い出の場所』の写真を添付しては 『私のものになりなさい』とか『そろそろ欲しくなってきたんじゃない?』などと胸を悪くするようなメールばかりをよこす そのメールを見るたびに、こなたは胃液が逆流するのを感じた 既にこなたの精神はズタズタになってしまっているのにも関わらず、かがみからの侵略は止まる事を知らない それどころか傷心のこなたにとってはストレス以外の何者でも無かった 何度メールフィルタを掛けても、携帯が駄目なら自宅のPCから、それが駄目ならプリペイド携帯からと 送信元を変えてこなたを苦しめる どうしてそこまでするのかこなたには理解できないが、抵抗しても無駄なので既に抗うことをやめてしまった 昔の優しいかがみはどこに行ってしまったのだろうか? そんな彼女からのメールも、あるメールを最後にぴたりと止んでしまった それは 「今のあんたには何の魅力もないわね…そろそろ、御仕舞いにしてあげる。ばいばい♪」 というものだ。 人の幸せを散々踏みつけた挙句にこなたは最悪の恋人であるかがみにすら見捨てられてしまった そして、肝心のみゆきからのメールは未だ一通も来ない 何度もみゆきにメールしたが返信は無かった 無論、かがみに汚された事もそれ以降の事もすべて伏せている 「…みゆきさん…」 こなたは愛しい人の名を呼び、その悲しげな瞳を天井へ向けた… 「そろそろ、楽になりたいな…」 夜の風は容赦なくこなたを打ち付けるが、こなたは気にしなかった 「この木だったね…ここでみゆきさんと私の時間が始まったんだよね…」 春、桜の季節の裏庭で 高校の制服も初々しい少女が二人風にたなびく髪を押さえて立っていた 「あ、あの…泉さん…」 「え、…あ…みゆきさん?こんな所でなにやってんの?」 「ちょっと、人を待ってまして…泉さん何をなさっているんですか?」 「え?私?…へへ、ジャーン!」 こなたは照れ笑いをしてピンク色の封筒をポケットから取り出した 「ラブレターもらったんだよ♪それで~今からその人がここに来るの☆」 こなたはその封筒をいとおしげに抱きしめて頬を染め上げる みゆきはそんなこなたに魅入っていた 「しっかし、物好きもいたもんだよね~私みたいなチンチクリンが好きだなんてね~★」 「そ、そんな事…ないと思いますよ…」 意外な言葉が返ってくる 軽いジョークのノリを期待したのだが、とこなたがみゆきを見ると みゆきはモジモジしながら髪の毛をいじっていた こなたは自分に向けられた美しい瞳にニコッと笑い返して 「またまたぁ、そんな事言って~、みゆきさんは優しいんだから~」 「そ、そんな…」 「そういえば知り合ってだいぶ経つけど、みゆきさんって彼氏とか居るの?」 「え?どうしてですか?」 「だって、今待ってるのって彼氏なんじゃないの~?☆」 「え、いや、まあ…好きな人…といいますか…」 「やっぱりね★ん?好きな人って事はまだ告白してないんだ…」 「はい、実はそうでして…今日、その方をここにお呼びしてるんです…」 みゆきはますます顔を赤くする 「そうなんだ!で、どんな人なの?」 「えっと、その方は…小さくて…元気で…少しオッチョコチョイで」 「ふんふん、可愛い系なんだね♪」 「それでアニメや漫画がお好きで、パソコンに詳しくて、いつもネットゲームなんかを嗜まれてまして」 「うーん、結構マニアックなタイプみたいだけど…みゆきさんって結構コアなんだね…」 「ええ、同じクラスの方でして前からお慕い申しあげてます。」 「その子は幸せ者だね~、みゆきさんに好かれてさ☆」 「本当ですか?」 「本当だよ~!私だったらみゆきさんに好きとか言われたら気絶しちゃうもん♪」 「…。」 みゆきの言葉がとまる 少し様子がおかしい様に見えるが大丈夫だろうか? そういえば、何となくひ弱そうなイメージが… 「どうしたの?」 「……好きです…」 「え…?」 「好きです!泉さん、大好きです!」 「ええ~~!!!?」 「言ってしまいました!どうしましょう!?泉さん、私どうしたらいいでしょうか!?」 「え?え?どうしたらって、落ち着いてよ!でも、あれ?私、ええええええ!!?」 「どうしましょう?どうしましょう!?恥ずかしい……」 しばらくの間、二人は混乱から抜け出す事が出来ずに、桜の下でわめき散らした 『懐かしいね…、みゆきさん…』 「へ~、そうなんだ…、って事はみゆきさんが待ってたのって…」 「はい、泉さんの事なんです…」 「そっか、この手紙みゆきさんがくれたんだね」 「あの、やっぱり変ですよね?女の子同士だなんて不自然ですよね?」 「うーん…」 「すいません、このお話は無かった事に…」 「待って、みゆきさん…」 「はい?」 その場を走り去ろうとするみゆきの手を、こなたはすかさず掴む 「告白ってさ、もっとなんていうか…こうドキドキするものだよね…?」 「…そ、そうですね…」 「みゆきさんは私になんて告白しようの思ったの?」 「え、そ、それは…その…」 「考えてきた台詞とか、色々あったんでしょ?」 「…はい、お恥ずかしながら…」 みゆきの耳が赤く染まる きっとみゆきはこう思ったであろう 『穴があったら入りたい』と しかし、こなたはそれを許さない 「じゃあさ、もう一回…告白してよ…」 「え…?」 意外な言葉にみゆきは驚く 「だって、ラブレター貰った私がせっかく現れたんだからさ、しっかりフラグ立てなきゃ」 「フラグですか…?旗?」 「フラグって言うのはね…えっと、恋愛ゲームで言う…あー、もういいや、ほら!みゆきさん早く!」 「あ、はい…では…失礼して……あのぉ、笑わないでくださいね?」 「う、うん、笑わないよ!」 「こほん、……こなたさん…私は…」 『あの時はびっくりしたけど嬉しかったなぁ…』 後にも先にも告白をされたのはアレが始めての体験で あんな素敵な言葉はきっと二度と聞けないだろうと今でも思っている 入学して3ヶ月、お互いを良く知らないもの同士の、しかも同性のカップル 隠し通すのにも苦労したし まさか百合フラグが自分に立っていたことなんて、気が付かなかった 桜の木は蕾をつけて、次の春に向けて力を蓄えている また次の春も、その次の春も、沢山の恋人たちを祝福してこの場所か送り出していくのだろう そして、この場所から始まった私たちは幸せだった この世に生を受けたどんな者たちよりも、幸せを感じていた 夜の桜は風に揺られて不気味に揺れる まるでこなたに「今、どんな気持ち?」と囁く掛けてくるかのように見える こなたは冷たい桜の木をぎゅっと抱きしめて、恋人を想いキスをした 「今まで有難うね、最後に…しばらく一緒にいてね?一人じゃ寂しいからさ…」 翌朝、こなたの亡骸は警備員によって発見される事になる こなたはまるで眠るようにして桜の木のそばで冷たくなっていたそうだ 検視の結果、薬物や外傷は見られず長時間の冷気にさらされての凍死だと断定されたが 数日後にこなたの部屋から見つかった遺書により、自殺である事が解った 遺書にはみゆきとの思い出や今まで暖かく見守ってくれた者たちへの感謝の言葉 そして、かがみによる性的な虐待などの非道極まりない行為が事細かに記されており 後日、かがみは逮捕されることになったのだが、かがみは一切抵抗することは無く 自分を睨み付けるみゆきに向けて笑顔でこう語りかけたと言う 『こなたなら貴女を見捨てなかったのにね』 校門を出るかがみは、罪の意識などまったく感じられない かがみの言葉はみゆきの心を突き刺した 確かにそうかもしれない、みゆきはこなたのそういう所が好きだったのだから みゆきはこなたが自分に宛てたメッセージを思い出して、恋人が眠りについた桜の木を見やる 『私は貴女の様になりたかった、貴女の傍において下さい』 その言葉は、みゆきの告白の言葉 二人の始めての思い出 「こなたさん…私は…この先、どうやって生きていけばいいんでしょうか…」 みゆきは後悔の涙を流してその場に座り込み 決して返って来ない問いかけを、桜の木に投げかける 桜の木は何も応えずただただ風に揺れるだけ そこから始まった一つの恋の物語は、この場所でそっと息を引き取った 『生まれ変わったら、またね』 蹲る少女の耳に、こなたの声が聞こえた気がした END
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もともと、泉こなたと柊かがみは仲の良い友人であった。 だが、いつからかこなたはかがみに、よく懐くようになった。 こなたにとってかがみは、かけがえのない存在になっていた。 とある日の朝。 こなたとかがみは手を繋いで登校している。 こなたは、とても嬉しそうに笑っていて、まるで子供のようだった。 そんな様子を見て、つかさは微笑ましく思うのだった。なごむ。 学校に到着する。 こなたとかがみはクラスが違うため、ここで離れなければならない。 「かがみ…」 こなたがとても寂しそうな顔をする。 「休み時間になったら必ず行くから…それまでおとなしくしてなさいよ」 こなたの頭をなでる。 「うん…」 「じゃあね」 こなたは寂しそうにしながら、かがみの後ろ姿をずっと見ていた。 授業が始まる。 こなたは、かがみのことが恋しくて仕方なかった。 寂しくて悲しくて、涙がこぼれてくる。 「うっ……うぅ……………」 「どうしたの、こなちゃん…大丈夫?」 つかさが小さな声で聞いてくる。 「ふえっ、…ふぇぇ…………うっ、うっ………………うえ~~~~ん!!!!!」 こなたが泣き出した。 まるで突然親から引き離された子供のように泣き始めた。つかさはどうしたらいいのかとおろおろする。 「ど、どうしました?泉さん?」 「かがみに会いたいよぉ~~~!!!」 「…」 「かがみがいないと…くすん、くすん……寂しいよぉ…」 その時間、つかさとみゆきは必死にこなたをなだめていた。 つかさの用意したかがみの写真が特に効果があったようだ。 休み時間になって、かがみがB組に来た。 つかさとみゆきは、安堵した。二人はひどく疲れていた。 「かがみぃ!!」 こなたの顔がぱあっと明るくなって、かがみの方にとてとてとやってくる。 かがみに抱きついて胸にすりすりと顔を寄せる。 「かがみぃ~~会いたかったよぉ~~~~……」 かがみは苦笑しながら、こなたの背中をなでてあげる。 「ふふっ…ちゃんといい子にしてた?」 「うん!」 つかさとみゆきは苦笑した。 かがみは、手をつないであげる。 こなたは「えへへ…」と笑い、とても嬉しそうにした。 つかさとみゆきはなごんだ。 やがて、チャイムが鳴る。 「あ、ごめんねこなた。そろそろ教室に戻らなくちゃ」 手を離して教室から出ていこうとするかがみ。 「やぁ~~!!」 かがみの腕にすがりついてくるこなた。 「も、もう行かなきゃいけないの!ね?こなた、分かって…」 ぶんぶんと頭をふって嫌がるこなた。 仕方がないので、つかさとみゆきに押さえてもらって、ようやくこなたから離れることができたかがみ。 かがみが出て行こうとすると、「かがみぃ~~かがみぃ~~」と言いながら、手をのばして名前を呼ぶこなた。 「ごめんね、授業が終わったらすぐに行くからね」 次の授業でも、やはり、こなたは泣き始めた。 「うえ~んうえ~ん、かがみぃ~~~」 当然、授業にならない。 そこでつかさとみゆきは、こなたをなだめる為に、話をしたり、つかさのギャグで笑わせようとしたり、 お菓子を食べさせたり、漫画を読ませてあげたり、かがみと電話で話させたり、つかさお手製かがみん人形を抱かせたりと、尽力した。 お昼休み。 つかさとみゆきは疲労困憊でぐったりしている。 そして、お昼ご飯を食べる4人。 こなたはいつも通りチョココロネをはむはむとかじっている。 その途中でこなたの手が止まる。 こなたは指を加えて、かがみのお弁当をじーっと見ている。 「…どうしたの?こなた」 「かがみの作ったおべんと食べたい……」 「もう、しょうがないわね…じゃあ、少しだけよ」 「やったあ!」 「はい、あーんして」 「あーん」 こなたはとても嬉しそうに口を開ける。 かがみはそんなこなたの様子にクスッ、と笑い、お弁当のおかずをこなたに食べさせてあげた。 「どう?おいしい?」 「うん!とってもおいしいよ、かがみっ!」 こなたは満面の笑みで言った。 そんな光景にクラス中がなごむ。 午後の授業が始まる。 「うっ……うっ、ぐすんぐすん……ふぇえ…………ひっく、ひっく」 午後の授業になっても、やっぱりかがみが恋しくて泣いてしまうこなた。 つかさやみゆきがいくら手を尽くしても、いっこうに泣き止む気配はなかった。 「うっ、うっ…ぐすん、ひぐ……ぇうう……」 いつまでも泣きやまないこなたに黒井先生が言った。 「泉!いいかげんにしーや!!」 「ぐすん…だって……だって……かがみがいなくてさみしいんだもん……!」 「柊姉はクラスが違うんや!!無理言うなや!!!!」 「!!!……………………ふえっ、ふぇ……ふえぇ…!!!」 「びえええええええええええ!!!!!!!!!」 こなたは大泣きしだした。 クラス中の生徒から白い目で見られる黒井先生。 「かがみぃ~~!!!かがみぃ~~!!!」 こなたはひたすらかがみを呼びながら泣き続ける。 そこで、つかさはある行動をとった。 自分の髪を二つに分けてリボンでまとめる。 「ほ、ほ~ら、こなちゃん、私はかがみよぉ~~~」 「……」 涙目で見つめるこなた。 「…こなた、宿題はやってきたの!?」 「……」 涙目で見つめるこなた。 「べっ、別にこなたのためにやったんじゃないからねっ!」 「……」 涙目で見つめるこなた。 「あっはは~、パン工場~」 「……」 こなたの肩が震えはじめた。 つかさは固まっている。 仕方なさそうに、みゆきが言った。 「…かがみさんを呼んできますね」 「私がふがいないばかりに……面目ねえ……」 そんなわけで仕方なく、かがみが急遽C組から連れてこられた。 orz ←つかさ 今はこなたの席に座り、かがみは泣きやまないこなたを抱っこしてなだめている。 「くすん…くすん…」 「よしよし……もう大丈夫だからね……」 こなたはかがみにしがみついている。かがみは頭を優しくなでて抱きしめる。 「よーしよし」 泣いているこなたをあやす様子は、まるで泣く子をあやすお母さんのようだった。 クラス中がなごむ。 かがみが優しく聞く。 「もう…一体どうしたのよ…?」 「黒井先生がいぢめる…」 「!!!」 「そ う」 かがみは、頭をゆっくり…ゆっくりと持ち上げ、黒井先生の方を見る。 笑顔だった。 〈殺意の込もる〉笑顔だった。 それは誤解や~!という声は意味をなさず、 かがみは、一言も発さず、ゆらり、と立ち上がる。 その時、クラス中の誰もが思った。 今 日 が 黒 井 先 生 の 最 終 回 だ と !!! だが。奇跡は起こった。 「かがみだいすき…」 俯いてるこなたが、ぼそっと呟いた。 かがみは、こなたの席の所に戻った。 「…ありがとね。私も…大好きよ…」 こうして、黒井先生は生き長らえることができた。寿命は縮んだけど。 その後も、こなたはずっとかがみに抱きしめられていた。 「かがみぃ…」 「なあに?」 「…かがみ…あったかくて…いいにおい……」 「…眠くなっちゃったのね」 こなたの長い髪を優しくなでる。 「……うん」 こなたが弱々しく応える。 「じゃあ、お昼寝しよっか。子守唄歌ってあげるから…」 「うん…」 「ねーんねーんころーりーよー、おこーろーりーよー」 子守唄を歌うかがみ。 その優しい歌を聞きながら、こなたの瞼が少しずつ閉じられていく。 やがて、抱っこされているこなたはそのまま眠りについた。 「すう……すう………」 子供のように、かがみにしがみついて寝息をたてるこなた。 クラス中がなごむ。 黒井先生が言った。 「ふう、やっとこさ眠ったか…柊姉はもうC組に戻ってえーよ」 「え…でも、こなたが…」 「ははは、大丈夫やって!こいつ昨日も遅くまでネトゲに勤しんでたんや。授業終わるまでぐっすりや」 かがみはC組に戻っていった。 数分後、こなたが目覚めた時、B組が大変なことになったのは言うまでもない。 それから後日。 かがみは、B組に変わった。 思わぬ所で、かがみの念願が果たされたわけだ。 よかったね。 だだっ子こなたん・保護者のかがみん~お前…唇で教育が必要か?~へ続く コメントフォーム 名前 コメント GJ!!笑 -- 名無しさん (2023-05-02 00 34 49) ...よかったね。 -- 名無しさん (2023-02-13 03 12 29) 爆笑した -- ブレイブ (2012-12-25 14 34 24) 面目ねぇて 随分漢らしくなったなw -- 名無しさん (2012-12-25 07 59 46) いやはや何たるカオス…色々な壊れっぷりが素晴らしい。 -- 名無し (2010-05-31 00 38 28) この混沌とした全ての状況をなごんだ…で済ますこのクラスって、一体…。 -- 名無し (2010-04-27 18 41 47) こなたかわいいよこなた ”今 日 が 黒 井 先 生 の 最 終 回 だ と !!! ” わらっちまったヴぁ -- 名無しさん (2009-11-08 23 30 08) なごんだ・・・でOKなクラスっていったい・・・ もはやオタクこなたは陰も形もないwでもそこもいい! つかさ毎回ドンマイ。 -- 白夜 (2009-10-14 00 36 07) このこなたなら……同じクラスになれば普通に頭撫でたりできるのでは…? -- 名無しさん (2009-08-28 00 45 08) なごんだよりも、よかった。黒井先生殺されずに済んでww -- 名無しさん (2009-08-20 23 22 02) これを読むと…なんだか自分の甥っ子を思い出します…? -- 名無しさん (2009-05-05 17 59 21) なごんだにふいたww -- 名無しさん (2008-09-26 00 10 49) 私もなごんだ//// -- ハルヒ@ (2008-09-16 23 34 24) こなたいいなあー… -- 名無しさん (2008-08-14 12 40 22) 面目ねぇWWWつかさWW -- 名無しさん (2008-08-14 01 30 23) つかさの努力が健気w -- 名無しさん (2008-07-13 23 43 46) 「かがみぃ…」で萌え死んだw -- 名無しさん (2008-07-13 23 37 45) さすが!絶妙な壊れ具合w 俺の糖尿病どうしてくれるんだ -- 名無しさん (2008-07-08 23 46 00) はちゃめちゃだが、いい!! -- 名無しさん (2008-07-08 23 05 37) 面白すぎるww あなたの作品大好きだw -- 名無しさん (2008-07-08 20 27 53)
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冷たい風が摩天楼の隙間を抜ける。暖かい日中に比べれば夜は途方もなく寒い。 舗装された道路は固く、這って歩く事はできず、寒く疲れているのに跳ねて移動しなければいけない。 大通りはまだけたたましく車の走る音、轢かれれば終わりと路地裏を行く。 街灯も少ない道は酷く寂しいが、人の多い日中に動く事と比べれば遥かにリスクは低い。 ゆっくりれいむは渾身の体当たりで青いポリバケツをひっくり返す。 透明のビニール袋、傍にある街灯の明かりを利用して中身を確認する。 結び目を適当にぐいぐいと噛んだり、舌でぐにぐにと押すと解けるので、中にある生ゴミをたらふく食べる。 どれも腐りかけていて酷く臭うが、無臭でも食べられないビニールよりはまだマシだ。 そして、れいむは路地裏を通り寝床に帰る。これから次の日の夜まで眠るのだ。 そういった様を眼下に、人間は栄華を極めている。人間の足元、アスファルトの建造物は空をどんどんと狭くする。 れいむは空を見上げる。空の向こうに光が無い。光はすぐそば、街頭やビルから漏れるものしかなくなった。 寝床に戻ったれいむが眠りにつく頃、街は目覚め始めた。 れいむのこの生活は路地裏を走ってきたトラックに轢かれ道路のシミになるまで続く。 ゆっくりまりさは頬から伝わる床の冷たさで目を覚ます。中身が餡子でも多少なりとも熱を持っている。 吸いこんで息を吐くと白い靄が部屋の中に消えていく。その靄のように自分も消える事が出来たら、まりさはそう望むが、 それが叶う事は一度もない。重い鉄の扉が開き、スーツを着た男が雑な手つきでまりさを運ぶ。 まりさは先ほどまでいた部屋と似たような、でも少し広く。どこか怖い部屋に連れてこられる。 部屋の真ん中には弱ったゆっくりぱちゅりーがいる。持病が悪くなっているのか、身体全体で息をしている。 男は乱暴にまりさをぱちゅりーの傍に投げ捨てる。別の男がカメラを回し、スーツの男が指示を出す。 まりさは何度も拒否をする。その度に鉄の棒で頬を叩かれる。一度、二度、三度、それが十を超えた辺りからまりさの拒否するトーンが弱くなっていく。 それまで勿体ぶって叩いていたが、弱気を見せると矢継ぎ早に五度叩かれ、迷っているなら早く決めてしまえと答えを強要する。 すると、まりさは承諾を伝え、ぱちゅりーを睨みつける。男たちはそれかは何も言わず。ただ、まりさとぱちゅりーだけを見ている。 まりさは豹変し、ぱちゅりーに襲い掛かる。まず頬に噛みつき、千切る。それから何度も体当たりをする。 中身は先ほど千切った事によりできた頬の穴からどんどんと抜け出ていく。容赦のない体当たりについに右目まで流れ出てしまった。 ぱちゅりーは何度も悲鳴を上げる。最初は怒り、次に恨み、最後に命乞い。 まりさはぱちゅりーを殺した。これがまりさの最初のお仕事、この映像を収めたビデオは電気街の路地裏で売られる事になる。 まりさの仕事は終わらない。例え電気街の路地裏だけだとしても人間の欲求と接点を持ってしまったからだ。人間の欲求には終わりが無い。 心地よいオルゴールの音、室内は加湿器と暖房により快適な環境に整えられていた。 怪我をするといけないから、この家にはストーブが無い。水もゆっくりには大敵だから、加湿器の下に滑り止めシートが敷かれ、 キッチンには入れないように柵がしてある。柔らかいクッション、可愛いイラストの描かれた餌箱、おでかけ用のキャリーケース。 そのケースには寒くないよう、怪我をしないようタオルケットが敷かれ、お気に入りの小さな人形が入っていた。 業者の人間が加湿器を段ボールに入れていく。柵は取り外され、餌箱やキャリーケースと一緒に粗大ごみへ。 少女はクッションとオルゴールだけを自分の段ボールにしまう。 両親は新しく住むマンションの間取りを見ながら、あれこれと家具の配置を話し合っている。 その中でゆっくりありすだけが何もかもから取り残され、快適でなくなった環境の中にいる。 今までかわいがってくれた少女とお話しようとしても忙しいからと拒否される。 家から一切のものが無くなった。ありすのクッションも餌箱もキャリーケースも。 ありすは生まれて初めて、ケースに入れられず、外に出される。少し寒いが初めての体験にありすの心は躍る。 まず、荷物を積み込んだトラックが発車する。次に少女と両親が乗った乗用車が出発する。 ありすは家の前で独りぼっちになる。少しの間はそこで待っていたが、他の場所を見たくなって歩き出す。 思っていたより地面は固い。今まで絨毯の上しか歩いてこなかったから這って歩くのが当たり前になっていたが、ありすは跳ねる事にした。 ピョンピョンと跳ねるありす、初めて跳ねたが、上手いのかもしれない。自分でそう錯覚する。 しかし、午後から降り出した雨はありすの身体を溶かしていく。ありすは雨をしのぐ場所を探し右往左往するが、 元々室内で飼われていたものだ。何かしら知恵があるわけではない。ありすは死ぬまでの間、大好きな飼い主の名前を呼び続けた。 人間の英知は午後から降り出す雨も予想し、引越しの準備を早める事が出来る。 by118 このSSに感想をつける
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「ねえ、こなた」 学校でかがみは私に聞いてきた。 「な~に?」 「もうすぐあんたの誕生日でしょ?何か欲しいものってある?」 「おお!私へのプレゼントですか!」 「リクエスト聞いてやるのもいいと思ってね。何がいい?」 「う~ん…まあ、強いて言うなら~…」 「うんうん」 「かがみかな」 「…」 「もうすぐあんたの誕生日でしょ?何か欲しいものってある?」 かがみは一度リセットして、全く同じ事を聞いてきた。 「かがみ」 「…」 「…あ、ああ。鏡ね。立て掛けるタイプ?それとも壁に掛けるのがいい?」 「私、柊かがみが欲しいんだけど(かがみ机を叩く)ごめんなさい特に思い付かないかな」 「じゃあ…例えば、服とか」 「私、ファッション興味ないよ」 「本は?」 「好きな漫画は発売日にゲットするけどね。…言っとくけどラノベもらっても読まないと思うよ」 「…じゃ、ケーキとか」 「かがみ太るよ」 「関係ねえよ!!」 「私、欲しいものはいっぱいあるけどバイトしてるからだいたい買えちゃうんだよね~」 かがみは少し呆れている。 「まったく…じゃあ、どうすりゃいいのよ?」 「う~んそれじゃあ誕生日は~…『一日私の言うこと聞く!』で」 「ええぇっ!!?」 「…なんでそんないやいやなのさ」 「あ、あんたのことだから…なんか…変なことさせそうで不安なのよ」 「ぷー、せっかくかがみがリクエスト聞くからって言ったのに…これしかないよ、私が欲しいのは」 「…あんまり無茶な事とか、非人道的なことはさせないわよね」 「だいじょぶだよ、そんな大したことはさせないからさ」 「じゃあ…それならいいわよ」 かがみは少し不安な顔をしながら受け入れた。 (…ニヤ) そして、誕生日の当日。 「それで?私はまず何したらいいのかしら?」 私はカバンから、コス専用ウサ耳を取り出した。 「これ付けて写真とって」 「…なっ、アホかお前はぁ!!!?」 「え~~~!?かがみ誕生日なら何でも聞くって言ったじゃ~ん!いきなり私との約束破るの~?」 「…だからって、こんなの…!」 「耳だけじゃん。私がバイトでやってるコスプレなんてもっとすごいヨ」 「あんたと一緒にするな!!」 …しかし、結局かがみはしぶしぶ撮ることになる。 ふっふっふっ…今日のかがみから私へのプレゼントとは、私を一日中萌えさせることなのだよん☆ 「お姉ちゃん、もうちょっと笑ったほうが…」 「いやいや、恥じらいがある姿も萌えるんだヨ。特にかがみは」 「…うぅ…は、早く撮りなさいよ!!///」 カシャ。 「言っとくけど、他の人には見せちゃだめだからね!」 「しないよ。私はただ待ち受けに」 「するなぁっ!!!!」 「でも、結構カワイイよ、かがみ」 「…そうかな?」 「あっ。ゆきちゃん似合~う。カワイイ~!」 「そっ、そうですか?…私こういったものは始めてでして…」 「おおおお!ウサ耳ヘッドみゆきさん激萌え~~!!!写メ撮らせて写メ!!」 「…ぉぃ」 私はかがみのクラスに来た。 「かがみい~、ツインテール触らして~」 「なんじゃそりゃぁ!!?」 そしてまた、誕生日の名目で、かがみの髪で遊ぶ。 かがみは決して楽しそうな目はしていない。 「なんだぁ?なんか面白そうなことやってんなー」 そう言ってみさきちがかがみの方に寄ってきた。 が、かがみがキッと睨んできたため、「みゅ~~~~」と言いながら、あやのに頭をなでられている。 ちょっと不憫。 お昼休み。 「それで、かがみ、お弁当は?」 「はい。ちゃんと作ってきたわよ」 私は昨日、まず、かがみに弁当だけを頼んでおいた。 「おお~!つかさ弁当並に豪華じゃん!!」 「どう?私だって、やるときはやるわよ。」 「お姉ちゃん、朝5時に起きてがんばってたもんね~」 「ちょっ!ちょっとつかさあ!!」 「なんだかんだで私のために頑張ってくれるかがみん萌え」 「…うるさい、さっさと食べろ!」 私は弁当の卵焼きを頬張る。 「おいしいよ、かがみ!」 「えっ、…そ、そう…良かった、うふふっ」 素直に言われると喜んでしまうかがみ、いいねえ…このツンデレっぷりがたまらんのだよ。 午後、また私はかがみのクラスに来る。 「か~がみっ!」 そう言って私は座っているかがみの後ろから抱きついた。 「なっ…ちょっとぉ…」 「今日のかがみは私専用☆」 「ぐ…今度は何よ…」 「今度はねぇ…ん~と…私にちゅ~して!」 「えっ!!ええっ!!!さすがにそれはちょっとだめよ…!」 「え~…せっかくかがみは約束してくれたのに…」 私の声が弱くなる。 「今日さ…かがみにいろいろしてもらうの…私、すごく嬉しくて…楽しみにしてたのに…」 「…」 「でも、そうだよね、いきなりそんなことかがみは嫌だよね…ましてや私なんて…ごめん…」 「…分かったわよ」 「え?」 「し、してあげるわよっ!!それでいいでしょ!」 「え~?いいのぉ~!?」 ふっ…かがみんよ…もはや逃れることはできんぞ… 「はい、じゃあ、して!」 私はかがみの方に顔の横を向ける。 「…」 かがみは顔を赤く染めながら少しずつ私の頬に近づいてくる。 カシャ。 「…え」 「かがみのキス顔と~った♪」 「…!!!」 私は喜んで早々に教室から出ていった。 その後のかがみの表情は…知らない。 再び私はかがみの教室に来た。 「かがみ様~!」 かがみが机からゆらりと立ち上がって言った。 「ははは…さあ次は何すりゃいいのよこなた。ほら、言ってごらん」 「ちょ、ちょっと怖いですよかがみサン…」 そう言って私はわざわざパティに借りてきたネコ耳をしまった。こっちは諦めた方がいい… 帰りの電車の中にて 「はあ…今日はなんだかいつもより疲れたわ…」 電車の中で、私とかがみが座っている。 私は、かがみの肩に頭をのせて寄りかかった。 「ちょ、ちょっと…!」 「た~んじょうび~」 「うっ…///」 かがみは表情を変えないままずっと下を見ていた…顔を赤くして。私はその表情をずっと見ていた。 (んふ~、かがみんて、ほんとウブなんだから☆まったく、可愛いねぇw) 電車から降りて、駅から出た私たち。 「はい!」 私はかがみの方に手を出した。 「…何よ」 「手ぇつないで帰ろ♪」 かがみの目が点になった。 「…は?…はああぁぁ!!?」 「私の家に着くまでだからぁ~」 「それ以上何があるのよっっ!!!」 そう言ってかがみの手をとってほっぺたにすりすりした。 「ねえ~お願いかがみん♪私のお祝いにさ!」 「く…!……!!… …。」 かがみは観念したようだ…よしよし♪ 「恥ずかしいわよ…周りの人に見られてるじゃない…」 「そかな?皆、大して気にしてないみたいだよ~。私たちのこと姉妹だと思ってるんじゃないかな~?」 「…これ以上、姉妹なんていらないわよっ!!」 帰り道は、結構長い。 私はずっとかがみが真っ赤になってる顔を観察して、ニヤニヤしながら歩いた。 しかし、なんだかだんだんかがみの握る手が強くなってきた気がする… しかも、かがみの方が歩く速度が速くなってくる。 …ヤケを起こしたのか。もはや私からは手を離すことができなかった。 ちょっと、かがみサン、手。手、痛いデスヨ。 しかし、かがみはある種のオーラを発していて、話し掛けにくかった。 なんというか、「くそぅ…コイツいちいち私のカンにさわることばかりしやがってなんで私がこんなことしなきゃ いけないのよ誕生日だからって調子のってんじゃないわよ明日はどうなるか覚えてなさいよフフフ」的オーラを感じた。 …お、怒ってる。 あ、ちょっとかがみさんや、握る手がますます強くありません?このままじゃ私の手がミンチになりますヨ? こうして、私は萌えている余裕がなくなったまま手を引かれ、かがみはずんずん歩いていく。 ようやく泉家に到着。 かがみの顔はもうこれ以上ないというほどに真っ赤だった。 ようやく私は手を離す。もとい、離される。あ…手が白くなってる。 「やぁ~、とうとう家に着いちゃったねえ。でも楽しかったよ~。ありがとね、かがみん、良い誕生日だったヨ!」 「私はひたすら恥ずかしかったわ…」 「それじゃあね!かがみ!」 「あっ、ま…待って」 かがみが急いだようにカバンの中をごそごそと探す。そしてある小さな紙袋を取り出した。 かがみはその紙袋の中から、ネックレスを取り出した。 派手ではないけど、かといって地味でもないきれいなデザインのネックレスだった。 「…え?」 かがみは、私の首にそれを付けた。 「け、結構似合うじゃない…」 私はポカンとして、そのネックレスを見つめる。 「やっぱりさ…私、こうゆうプレゼントしたいなって思ったから…」 かがみが頬を指でかきながら、言った。 私の顔がぼっと赤くなった。 「じゃ、じゃあ…また、明日ねっ」 かがみは走っていった。 …ずるいよ…今日は私だけが、ただ、かがみに萌える日だったのに… 「こなた!」 私は突然の呼び掛けに返事もせず、呼ばれた方を向いた。 「誕生日… おめでとっ!!!」 かがみは少し照れくさそうな笑顔で言った。 「…」 かがみは走り去った。 「も…もぅ!最後にこんな風になるなんて悔しい…今度、かがみのほっぺにいきなりちゅーしてやる…」 私は顔を赤くしたまま家の中に入っていった。 コメントフォーム 名前 コメント GJ! -- 名無しさん (2022-12-21 22 35 13) 二人が可愛すぎる。くやしい!ビクンビクン -- 名無しさん (2009-12-08 19 51 39) やっぱ、楽しくて、かつ萌えるSSっていいなあ。 -- 名無しさん (2008-06-20 01 32 12) 二人ともカワイイなぁおい! ごちそうさまでした (*´Д`) -- ハルヒ@ (2008-05-28 23 20 35)
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※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。(十回超の予定) ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※最初の数回は読者様のストレスをマッハにすることに腐心しています。虐待は次回から。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※今回は人間が悲惨な目に会う描写があり、気分を深く害される恐れがあります。 一応、今回だけ読み飛ばしてもいいように書いていく予定です。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』4 ずっと俺には疑問だった。 突如として現実世界に現れた不可解な存在、ゆっくり。 こいつらは一体なんなんだ。 中身に詰まっているのは餡子のみ。 他のどの生態系にも類を見ない不可思議な機構で動いている。 小麦粉と甘味でほとんどが構成されたその肉体はひどくもろく、衝撃や苦痛でたやすく餡子を漏らして死ぬ。 なにより不可解なのはその知能だ。 言語を話す、という時点で他の動物とは比較にならないほど知能は高い。 ところがその行動は単細胞生物のそれで、 思考力や学習能力にひどく乏しく、目先のゆっくりしか目に入らず、 野生動物なら最低限あってしかるべきはずの危機管理能力が決定的に欠けている。 おそろしく弱いくせに自信に満ち溢れ、無謀なことばかり繰り返す。 こんな生物は、生態系としては下の下で、 とっくの昔に絶滅していておかしくないはずなのだが、 並はずれた性欲に支えられた繁殖力、ただそれだけを武器に、 ゴキブリ以上のしぶとさで地球にしがみついている。 俺にはわからなかった。 大学で少々生物学をかじった身として、 ゆっくりの生物としての整合性が理解できなかったのだ。 性欲以外のほぼすべての特徴が、生物としてマイナス要素しかない。 なぜ、そんな生き物が生まれてきたのだろうか。 生物に意味などあるはずはない。 しかしどの生物も、進化の過程を経て、 思わず感心してしまうほどの適合力を見せて、自らの生活圏とぴったりと結合している。 しかし、ゆっくりは見たところ、どの生活圏にも結合していない。 森に繁殖すれば、たちまちそこの食物を食べつくしてしまう。 町に住めば、人間どもに追われ、迫害されている。 こいつらはなんのために生きているのだろう。 どんなゆっくりプレイスも、例外なく破綻する。 生まれては死に、繁殖しては滅び、流れるようにあちらこちらをさまよう。 こいつらが生物としてぴったりとはまり、安定していられるのはどういう環境なのだろうか。 「何か月かね?」 「は、はい……三ヶ月ちょっとらしいです」 長浜氏はソファに身を沈めたまま、険しい表情をしていた。 「ゆぅ~ん、おじいちゃんどうしたの?なんだかこわいよ?」 「なんでもないよ。あっちへ行っていなさい」 「ゆっくりりかいしたよ!」 絨毯の上を跳ねながら、開け放したドアを出ていくゆっくりれいむ。 長浜氏の邸宅。 広い居間でテーブルをはさんで向かい合い、俺は恐縮しきっていた。 俺の隣には由美。 向かい合ったソファの正面には由美の祖父長浜氏が座り、 その隣に由美の両親が座っていた。 俺の返答を聞いたあと、長浜氏は黙ってこちらを見つめていた。 俺はうつむいて冷や汗をたらしながら、つけ慣れないネクタイの位置を直した。 由美の妊娠を知らされたときには、すでに受胎してから二か月半ばを経過していた。 毎日俺の部屋に通っていたはずの由美が、ある時を境に数日間来なくなった。 心配になった俺は電話で連絡した。 すると、由美は震える声で、産婦人科に行ってきたことを告げてきた。 妊娠を知らされ、俺の喉がひりついた。 ゆっくりの世話に追われてこのところすっかりご無沙汰だったが、 ゆっくりをここに迎える直前、すでにご懐妊なさっていたらしい。 どうする。 俺はしばらく悩み、時間をかけて由美と相談し、結論を出した。 「こういう事柄に関しては、君には忍耐力がなかったようだね」 やっとのことで、長浜氏が仏頂面で言った。 俺は恐縮して頭を下げるしかない。 「大切な孫娘なんだよ。たったひとりの……つい先日、成人式を挙げたばかりだ」 「は。はい」 「君はまだ働いていない学生の身分だろう」 「……はい」 「とんだことをしてくれたよね」 「は」 「嫁入り前の、人の娘に……娘というのは君、宝だよ」 「……」 「おじいちゃん」 「黙っていなさい!」 由美が口を挟もうとしたが、長浜氏がぴしゃりと遮った。 これほど険を含んだ長浜氏は初めてだった。 あの礼儀正しい老紳士が、静かに怒っている。 耐えがたい、重苦しい沈黙。 「どうするのかね」 やがて、ぽつりと長浜氏が聞いてきた。 震える手で膝を握りながら、俺は声を絞り出した。 「……由美さんを、僕にください」 「……今、なんと言ったのかね?」 「僕に由美さんをください!必ず幸せに、幸せにしてみせます!!」 俺は叫びながら顔をあげた。 長浜氏は、顔中をくしゃくしゃにして笑っていた。 「いやいやいやいや、さあさあどうぞどうぞ」 「いや、あの、僕は車なんで」 「いやいやいいじゃないか。帰りは送らせるよ、まあどうぞ」 俺の手に持ったグラスに、高そうな酒がどぼどぼと注がれる。 「いやあうん、懐かしいな。私もそうだったんだよ。 圭一くん、私も君といっしょでね、深窓の令嬢を結婚前に孕ませてしまった。 相手方のオヤジさんにはぶん殴られたよ」 「そうでしたか」 長浜氏は浮かれまくっている。 由美の両親はそれほど浮かれる気にはなれないようだったが、ともかく笑顔を作っていた。 「もしも君が逃げ出すようだったら、ただではおかなかったよ、うん。 しかし、これで全て丸く収まりそうだ。君なら大丈夫だろう、うん、ね。 困ったことがあるならいつでも言ってきたまえよ、我々は家族になるんだからね」 「ありがとうございます!」 「本当に、頼んだからね。由美、いい人を見つけたね」 「うん!」 涙を浮かべ、由美が頷いた。 「ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくり!!ゆっくり!!」 場の雰囲気を察知し、長浜氏の飼っているゆっくり共が嬉しげに絨毯の上で飛び跳ねている。 この時ばかりはゆっくりが可愛く見えた。 しかし多いな。大小さまざま、何十匹いるんだ。 「由美から聞いているよ」 「え?」 「例の、ゆっくりの事だよ。君の家で飼っている」 「あ、はい……」 声のトーンがわずかに沈んだ。思い出すことさえ不快だ。 「ものすごく大変らしいね。床のうんうんを舐めたんだって?」 「あ、いや、まあ……」 そんなことまで耳に届いていたとは。 あの姿だけは見られたくなかったなあ。 「君は今、ゆっくりが好きかね?」 「…………」 「嫌いだろうね。無理もないよ」 「はい……」 長浜氏の声は穏やかだった。 彼は由美に向きなおって言った。 「なあ、由美。もういいだろ。解放してあげなさい」 「……うん。圭一、今まで本当にごめんね」 「圭一君。そもそもは私までがぐるになって君に頼んだことだったが、 これまで本当に、よく由美に付き合ってくれたね。心から感謝しているんだよ。ありがとう」 ストレートに「試していた」と言ってくるわけじゃないが、 やはりあの計画で、俺が試されていたのは確かのようだ。 夫として由美と向き合っていく忍耐力を、俺は証明したのだ。 「ともかく、君たちは近いうちに夫婦になるのだろ?」 「はい、そのつもりです。準備は大変だと思いますけど……」 「もちろん手伝うよ。それでだ、そういう準備もあるし、 もうゆっくりに一日中かかずらっているわけにはいくまい」 「は……そうですね」 「あのゆっくりはこちらで引き取ろう。 もちろん最低限の躾は必要だろうが、責任をもってできるかぎりゆっくりさせるよ」 「あの、私が面倒見るから!」 「どうするつもりだい、由美。これまで通り自由奔放にゆっくりさせるのかい?」 「できれば、そうしたいんだけど」 長浜氏はしかしかぶりを振った。 「もうよしなさい。結果は出ているだろう」 「結果……」 「圭一君。君たちはゆっくり達の言うことをすべて聞いてきた。 すべてゆっくり達の思うままにさせた。そうだね?」 「はい」 「では改めて聞くが、あのゆっくり達は、 他のゆっくりに比べてゆっくりできていたと思うかね?」 俺は少し考え、答えた。 「いいえ」 「子供を殺したんだって?」 「えっ」 自分のことを言われてるのかと思い、一瞬どきりとした。 「れいむとありすがいがみ合い、互いに子供を殺し合ったそうじゃないか」 「あ、はい」 「そして結局、増えすぎた子供たちは間引かれていった」 「……はい」 「まりさ達は他のゆっくりを虐げた。 甘味を与えるたびに、その甘味を家族で奪い合った。 互いに憎み合い、相手の隙を窺い、強者の存在に怯え、強者は反発に苛立つ。 いつ子供たちが殺されるか虐められるかわからず、戦々恐々とする生活。 由美。そんなゆっくり達が、ゆっくりしていると思うのかい?」 由美は眼を伏せた。 「ゆっくりしていなかっただろう?」 「……うん」 「今回のことはいい経験だったな、由美。 ゆっくりという生物は、自分にとって一番いい選択をする判断力が足りていないんだ。 ただ目先の欲求だけで行動し、結局はそのつけが回ってきて面倒事を増やし、苦しむことになる。 ………もしかしたらそれは人間も同じことかもしれないね。程度は大きく違うが」 俺は頷いた。 まあ、ゆっくりと一緒にされたくはないが。 「お前の計画は、ここで終わりにしよう。 今回のことを糧に、改めてゆっくりが本当にゆっくりできる為にはどうすればいいか考え直してみればいい。 あのゆっくり達はこちらで引き取るよ。 もちろん一旦味をしめさせた責任はあるから、できるかぎりは贅沢をさせてやる。 他のゆっくりに悪影響が出るだろうから、個室で飼おう」 「うん。わかった」 由美は頷いた。 「でも、あたしも面倒見てもいいよね」 「うん。好きにしなさい」 好々爺の笑みで、長浜氏は頷いた。 すべて終わった。 運転手のハイヤーに乗せられて長浜氏の邸宅をあとにした今、俺はようやく肩の荷が下りた。 いや、これから結婚や求職もろもろで本当に忙しくなるのだが、 そんなものはあのゆっくり共の相手をすることに比べれば些細なことに思えた。 本当に大変だった。 しかしそれは報われた。 長浜氏は俺を認めてくれ、俺は由美と結婚できることになった。 こうして結果が出てみれば、自分でも驚いたことに、 あのゆっくり達に感謝の念さえ湧きあがってきた。 なにはともあれ、やつらは俺にチャンスをくれたのだ。 「今まで本当にごめんね。大変だったよね」 隣に座る由美が改めて詫びてきた。 「うん。大変だった。すごく」 強がってみせる余裕もなく、俺は正直に苦笑した。 「あんなゲスゆっくりが、本当に可愛いのか?」 俺はここで初めてゲスという言葉を使ったが、由美は否定しなかった。 「うん。おかしいよね」 「どこが可愛いの、あんなの」 「それは、ええと、ゆっくりと人間と同一視してるから可愛くないんだと思う」 「え?」 いつになく真面目な顔をして、由美は言った。 「礼儀とか思いやりとかは、人間のルールだよね。 そういうのがない人は、私も嫌い。 でも、ゆっくりは、人間とは違うルールで生きてる。 ふつうの人間にとっては不愉快かもしれないけど、私は人間とは別物だと思ってるから、腹が立たない。 私ってゆっくりオタクだから、人間の手垢がついてない純粋な子ほど可愛いと思っちゃうんだね」 「そんなもんか」 共感はできなかったが、素直に受け止めることができた。 「でも、今回の失敗でまたわからなくなっちゃった。 ゆっくりのルールって一体なんだろうね。 人間のルールを押しつけたほうが幸せになれるのかな? ゆっくりって、ゆっくりするために生きてるんじゃないの? どうしてなかなか、自分たちでゆっくりできないのかなあ……」 毎日ものすごい数が生まれ、そのほとんどが死んでいくゆっくり。 わざわざ人里に下りてきて、家や畑を荒らしては潰されるゆっくり。 ゲスやレイパーや共食い、同族で殺し合うゆっくり。 ゆっくりとは、一体なんのために生きているのだろうか。 「ゆっ、おそいよ!!ごみくず!!」 由美と一緒に家に戻れば、甲高い挨拶が飛んでくる。 「ぐずぐずしないであまあまをもってきてね!!」 「そのめはなんなの?ばかなの?たちばわかってるの?ばぁーか!!」 「まま、かちくがもどってきたわよ」 「あらそう、どこをほっつきあるいてたのかしら。 そろそろしつけなおしたほうがいいかもしれないわね」 「ゆっくりしないでしね!!げらげらげら!!」 「とっととうんうんをなめるんだぜ!!たっぷりためといてやったんだぜ!!」 子ゆっくり共は成体サイズになり、滑舌もまともになっていた。 改めて眺めると、よくもこんな連中と付き合ってきたものだと思う。 しかし終りが見えた今は、そんな声も耐えて受け流すことができた。 ゆっくり共の罵声を無視し、鞄を放り出して横になる。 無視できることがこんなに有難いとは。 「ゆっ!?ごみくず!!なにゆっくりしてるのぉ!?さっさとおきてせいざしてね!!」 「あまあま!!あまあま!!きいてるのかだぜ!?ゆっくりするんじゃないのぜぇ!!」 「くちをあけるんだぜ!!うんうんをじかにたべさせてやるんだぜ!!」 無視無視。 よじ登ろうとしてきたゆっくり共を適当にあしらって追いやる。 潰してやりたいところだが、こいつらは長浜氏の家に飼われるのだからそうもいかない。 「ぎいでるのがああああああああゆっぐりごろじいいいいいいいいい!!!?」 その言葉にはさすがにどきりとした。 一緒に来ている由美のほうを見る。 しかし由美はそれには触れず、かがみ込んでゆっくり達に言った。 「れいむちゃん、まりさちゃん、ありすちゃん。みんな聞いて。 明日、みんなでお引越ししましょうね」 「ゆっ!?」 「ここではもうゆっくりできないの。 もっとゆっくりできるゆっくりプレイスに連れていってあげる」 ゆっくり共は一瞬きょとんとしてから顔を見合わせ、その後げらげらと笑い合った。 「げらげらげらげら!!ばかがなにかいってるのぜぇ!?」 「ゆっくりプレイスはここなんだぜ!!まりささまがきめたんだぜ!!」 「いいのよ、おねえさん。かちくがむりにあたまをつかわなくてもいいの。 かんがえることはとかいはなありすたちにまかせておきなさいね」 「むのう!!のろま!!ばぁーか!!ろどん!!」 予想できていた反応に、由美は困ったように笑った。 「ね、これからは人間さんの話を聞いて。 今度のゆっくりプレイスでは、人間さんがみんなをゆっくりさせてくれるわ。 でも、人間さんの言うことを聞かなくちゃだめよ」 ぼひゅっ、という音が響く。 ゆっくり共が吹き出したらしい。冗談じゃないという驚き、ちゃんちゃらおかしいという嘲笑の両方だろう。 「ばかなの?しぬの?あたまつかってる? そんなところでゆっくりできるわけないでしょぉぉ!!」 「いーい?にんげんさんはごみくずでのろまな、かとうなせいぶつなの。 ゆっくりがみちびいてあげなきゃいけないの。いうことをきくのはにんげんさんのほう。 わかるかしら?もういちどいってあげましょうか?」 「かわいがってやっていればつけあがるなだぜ!! にんげんのいうことをきくぐらいならゆっくりするんだぜぇ!!」 最後の発言は意味がおかしい。 「勝手よね、私たち。今更しつけようなんて」 「そうだな」 由美に頷いてやる。 虐められているうちは、叩き潰してやりたいと渇望していたものだが、 このゆっくり共もある意味では被害者、もとい被害ゆっくりなのだ。 そう思うとなんだかどうでもよくなった。 ただし、あくまで「ある意味で」という前置きつきでの穿った見方だ。 ガラスを割って侵入してきたこのゲス、追い払ったところで別の人間に潰されるか、 群れの中で孤立して自滅するかだろう。 まあifの仮定なんかしたって無意味だが、こいつらが不幸だなどとは言わせない。 最低限のルールは課されることになるが、これから行くところだって、 死ぬまで存分にゆっくりできる夢のようなゆっくりプレイスだ。 とにかく、明日の昼には迎えが来て、 こいつらは長浜氏の邸宅に移されることになる。 その旨を伝えると、ゆっくり共は俄然騒ぎ出した。 「なにいってるのぉおお!?ばかなのぉぉぉぉ!!!」 「まりささまはここにすむんだぜぇぇぇ!!しねぇ!!!しぬんだぜぇぇぇ!!!」 「このかちくはもうだめね! そこのおすにほかのつがいをさがさせましょう」 「おい、なにゆっくりしてるんだぜぇ!! このばかをなんとかするんだぜ!!あのことをいわれてもいいんだぜぇ!!?」 「あのことって?」 由美が聞いてきた。 「全部話すよ。それより、もう出よう。 もう一晩だってこいつらといたくないよ」 俺は由美を近くのファミレスへと誘った。 「おいぃ!!にげるなだぜぇ!!ごみくず!!もどれぇぇ!!」 「ゆっくりごろし!!ゆっくりごろし!!あかちゃんごろしいいいい!!」 結局、俺は子殺しに加担した全てを、ショックを与えないように細部は省いて話した。 俺がゆっくり愛好派ではないことはもともと承知の上だし、 計画が失敗に終わったという結論が出た今、取り繕うこともなかった。 由美は悲しんだが、結局は許してくれたようだ。 「全部、私のせいよね」 「よせよ。みんな悪かったんだ、俺もお前もおじいさんも、もちろんゆっくりも。 後悔したって始まらない。みんなでやり直そうぜ」 「そうね」 あのゲスどもに関しては、俺はもう関わらないけど。 その日は、由美を送り返したあと近くのビジネスホテルに泊まった。 問題は山積みだが、それでもあのゲスのいない生活を考えるだけで心は浮き立った。 翌日から、俺はそれまでの鬱憤を晴らすかのように勉学に打ち込んだ。 もともと勉強好きな俺は、遅れを取り戻すべく、大学でも自宅でも猛烈に並び、 一時落ちていた成績を再び大学トップクラスにまで戻した。 同時に、就職活動も行った。 有名大学で優秀な成績を収める俺にとって、そう難しいことではなかった。 だが、結局は長浜氏の強い勧めで、長浜グループ関連の建築会社に内定が決まった。 コネを使うことになってしまったが、実力的にも不足はない。 在学中に結婚までしてしまった。 長浜氏の願いで、俺が婿養子として迎えられることになった。 由美は一人っ子だし、家柄を考えれば無理もないか。 順風満帆だった。 我ながらなんというシンデレラボーイ。 あの地獄に堪えた報酬は、十分見合ったものだった。 だが、そんな地位や収入などよりも、 俺は何より、由美との結婚生活が楽しみだった。 愛する妻、子供、ピクニックやキャッチボール。 陳腐だが愛にあふれた家庭生活を想像するだけで、俺はすでに幸福の絶頂にいた。 俺は長浜氏の邸宅に一時的に住んでいた。 就職するまでは、という長浜氏の強い勧めだった。 あの人はなんだかんだで、いろいろと強引に勧めてくる。 一人ではしゃいでいる祖父に比べ、 由美の両親のほうは少々ぎこちなかったが、おいおい打ち解けていけるだろう。 「おにいさん、ゆっくりしていってね!!」 「ごはんのじかんになったらあまあまをおねがいね!!」 長浜氏の邸宅には、ゆっくりが大量にいた。 れいむ種、まりさ種、ありす種、ぱちゅりー種、ちぇん種やみょん種などレアなものも。 正直うざったかったが、あのゲスどもに比べれば天地の差。 これだけしつけが行き届いていれば問題なく付き合っていけそうだ。 問題のゲス共は、ひどいものだった。 ここに連れてこられてすぐに個室に移されたが、 しつけをしようとしても全く言うことを聞かない。 人間は自分たちの奴隷だ、黙って言うことを聞け、あまあまをもってこいの一点張りで、 そればかりか嬉々として嫌がらせをしてくる。 少々強く言うと、ものすごい剣幕で火がついたように暴れまわった。 長浜氏の知人である有名ゆっくりブリーダーに見てもらったが、これはダメだろうとのことだった。 「ここまでつけ上がったゆっくりは、多分もう無理だと思います。 人間をなめているばかりか、明確な悪意を向けてきている。 しつけるにしても、ものすごく強烈なやり方でないと。 もしかしたら死んでしまうかもしれませんよ」 さすがにそこまですることもない、という長浜氏や由美の意見で、 結局このゆっくり共は、郊外に外出する時以外は個室から出さずに寿命まで勝手にやらせることにした。 といっても、こいつらは外出することはあまりないが。 「しかし、よくもまあここまでつけ上がらせましたね。びっくりしました。 ここまでの個体は初めて見たかもしれません。 逆にゆっくりブリーダー向きかもしれませんよ、あなた」 俺はそう言われたが、勘弁してくださいと首を振った。 そんなゲスどもを、由美は相変わらず面倒を見ている。 長浜邸では、家族だけでなく使用人も大勢のゆっくり共の面倒を見ているが、 あのゲスは使用人でさえ関わりたがらず、結果としてほとんど由美が面倒を見ることになった。 結局相変わらず甘やかしているようだ。 「おねえさんはゆっくりしないでおうたをうたってね!!」 「きたないうたなんだぜ!!ゆっくりできないからとっととやめるんだぜぇ!!」 「げらげらげらげら!!」 しかし、ついに別れのときがやってきた。 俺が就職し、なかなか広いアパートに住むことも決まった。 子供が生まれたら、最初は自分たちの家に迎えたい。 そういう俺の希望で、出産の前に引越しの手続きを済ませることになった。 一応、出産前後は由美の母がアパートに通っていろいろ手伝ってくれる。 由美のお腹の子は五か月になっていた。 お腹の膨らみもはっきりとわかる。 俺の宝だ。 引っ越し前日の夜になって、 由美はあのゲス共に別れの挨拶をしてくると言った。 俺は挨拶などする気も起らず、寝室で由美を見送った。 俺はずっと疑問だった。 身体能力や耐久性はあまりに弱いゆっくり。 しかし、その自意識は身の丈をはるかに超え、 危険な場所やより強大な敵に、自分から飛びこんでいく。 その構造は一体なんなのだろう。 生物として、全く理にかなっていない。 何度考えても、生物学的にまったく説明がつかなかった。 ゆっくりとは一体なんなのか? 由美はいつまでも帰ってこなかった。 十二時時を過ぎて深夜になっても、由美は二人の寝室に戻ってこなかった。 由美がゲス共に会いに行ってからすでに三時間。 いくらなんでも別れを惜しみすぎではないのか。 俺は立ち上がり、ゲス共の部屋に向かった。 「由美。俺だ。いるのか?」 ドアをノックしたが、返答はなかった。 しかし気配はあった。 中でわめき声が聞こえている。ゆっくり共が騒いでいるのだ。 いつもの事だった。 しかし、その声に俺はどこかいつもと違う空気を感じた。 なんだ? 俺はドアを開けた。 「ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!」 「んほぉおおおおおおおおすっきりいいーーーーーーーーーっ!!!」 「ゆっくりするなだぜぇ!!さっさとおきるんだぜぇ!!!」 由美と娘はそこにいた。 「ゆっ!!ごみくずがやってきたんだぜ!!」 「ゆゆっ!?いまごろきてもおそいよ!!げらげらげらげら!!」 「んっほぉぉぉぉおおお!!!きもちいいわああああああ!!!」 俺は膝をついた。 言葉が出なかった。 脳が思考を放棄し、体が震えて動かなかった。 「ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!」 執拗に飛び跳ね、踏みつけていたれいむは、 俺を認めると、そこに乗ったままで罵ってきた。 「くそじじいのあかちゃんはしんだよ!! れいむだっておちびちゃんをころされたんだからね!! ゆっくりりかいしてくるしんでね!!ざまぁ!!」 まりさ共が、由美の体に体当たりを繰り返している。 「まりささまのゆっくりベッドでゆっくりするんじゃないんだぜぇ!! くそどれいにそのふかふかはもったいないのぜ!!おきるんだぜえぇ!!」 由美は動かなかった。 頭をまりさ用の天蓋つきベッドに突っ込んだまま、ぴくりともしなかった。 天蓋は一部の骨組が折れ、由美の頭の下に敷かれている。 「あかちゃんのおはだすべすべよぉぉぉぉぉ!! なんかいでもいけるわあああああんほおおおぉぉぉすっきりいいいいいーーーーっ!!!」 ありす共が粘液にまみれながら絶叫している。 親子五匹のありす共が、それにまとわりついて蠢いていた。 地獄。 無間地獄。 こいつらは。 俺は泣きながら這いずっていった。 震える喉からやっとのことで絞り出したのは、次の問いかけだった。 「どうして」 それは、このゲス共に向けた質問ではなかった。 俺は何に向かって問いかけたのだろうか。 「ゆっ!!ごみくずはばかすぎてあきれるんだぜぇ!! ごみくずのたくらみなんてまりささまはすべておみとおしなんだぜ!? おきのどくなんだぜぇ!!げらげらげらげら!!ふっきんほうかい!!」 まりさが笑っている。 「ゆふぅ~……とかいはなせれぶのありすには、 いなかもののかんがえることなんておみとおしよ」 「ままはおみとおしよ!あてがはずれたわね!!んほっ、んほほぉぉ!!」 「どうしてわかったかおしえてあげましょうか? ありすがまえにすんであげていたゆっくりぷれいすのにんげんは、 はじめはありすにぞっこんで、かいがいしくありすにほうししていたわ。 ありすがいえば、すっきりようのゆっくりをつぎつぎともってきた。 にんげんがあれこれやってくれというから、 やさしいありすはおのぞみのぷれいをみせてあげもしたわ」 このありすの飼い主が、あの技術を教えたのか。 「でも、そのにんげんは、あれほどかわいがってもらったおんもわすれて、 このありすをうらぎった。 にんっしんっしたのよ。 にんっしんっしてこどもがうまれたたとたんに、 そのにんげんはありすをゆっくりぷれいすからほうりだした。 じぶんのこどもにかまけて、 ほんらいのしごと、ありすのどれいのせきむからにげだしたのよ!」 「んほっ、まったくにんげんはいなかもののかとうどうぶつよね! ちゃんとみてないとすぐににげだすんだから!!」 「このおねえさんがにんっしんっしたときから、 ありすにはこうなることはわかっていたわ。 あなたたちにんげんは、こどもができると、まわりがみえなくなる……」 「だからまりささまがまびいてやったんだぜ!!」 まりさが引き継いだ。 「こどもをみてしこうていしするまえに、 まりささまがまよいのたねをつみとってやったんだぜ! ごみくずどもはいままでどおり、つよくてかっこいいまりささまにしんすいして、 まりささまだけにつかえていればいいんだぜ!!」 「あらりょうじだったけど、れいせいになってよくかんがえなさい。 おちついてかんがえればこれがただしいとわかるはずよ。 いなかもののかとうせいぶつでもね!!」 「れいむはおまえにこどもをころされたんだよ!! こどもをころされるくるしみがわかった!?もっとくるしんでね!!げらげら!!」 ゆっくり共は、悪意の塊のような表情を浮かべてせせら笑っていた。 それはひどく醜く、どれほど憎んでも足りなかった。 「こどもはありすにおかされてしんだよ!! くやしい?くやしい?ねぇねぇ、いまどんなきぶん?どんなきぶん?ゆっゆっゆ~♪」 震えて泣きながら、俺はゆっくりと疑問が氷解していくのを感じていた。 「ざまぁ!!ざっまぁぁぁぁ!!くやちぃくやちぃ~~~~~♪」 ああ。 「げらげらげら!!そしてこのかお!!ないてるときがいちばんばかみたいなんだぜぇ!!」 そうか。 「ごみくずはむせびなき~♪れいむたちはいいきぶん~♪ゆっゆ~~ゆゆゆ~♪」 お前たちは。 「このおねえさんひっどいかおよねぇ、みっともないったらありゃしない! とかいはにこーでぃねーとしてあげるわ!んほおおぉぉすっきりいいーーーーーー!!!」 苦しむために生まれてきたんだな。 由美は死んではいなかった。 しかし、病院で医師に宣せられたことは死と同義だった。 頚椎骨折。 あの部屋で倒れたとき、首の部分がちょうどまりさの天蓋つきベッドを下敷きにして、 その骨組をなしていた木材にぶつかり、頚椎を折っていた。 脊髄を損傷して由美は全身不随となり、意識も失ったまま戻らなかった。 病院のベッドで点滴を受け、なにも映さない目で天井を見つめるだけの生活になった。 子供は女の子だった。 発見したときにはすでに手遅れになっており、 その亡骸は、長浜家の墓に埋葬された。 俺が決めてあった名前が、その墓には彫られた。 長浜氏と俺の意向を受け、 その事件は日本中に大々的に報道された。 その主犯であるあのゲス共は事情聴取を受け、 警察やテレビの取材班に喜々として自分の所業を語り、 その様子は日本中に放映された。 「まずまりささまがあしにまりさしゃいにんぐあたっくをくらわしたんだぜ!!」 「そしたらおねえさんがぶざまにたおれたんだぜ!!おとうさんはつよいんだぜ!!」 「たおれたところにれいむがおなかのうえでぴょんぴょんしたんだよ!! ごみくずのあかちゃんはすぐにでてきたよ!!にんげんさんはもろいね!ぷげら!!」 「あかちゃんのおはだはとってもすべすべもちもちしていてとかいはだったわ。 またもってくるならすっきりしてあげてもいいのよ?」 「おなかすいたあああ!!れいむおうちかえるうううう!!」 それは飼いゆっくりによって人間が殺された日本史上初の事件だった。 日本中がその事実に震撼し、愛護派の多くが認識を改め、虐待派がさらなる気炎をあげた。 その日から、日本中で捨てゆっくりの数が増大し、 同時にむごたらしく殺されたゆっくりの死骸が町に散乱し、市民はその処理に追われた。 だが、殺されるゆっくりに同情する者はいなかった。 日本の法律では、ゆっくりを罰する法は制定されていない。 人を殺し、全身不随に追いやったそのゆっくり共を憎み、処刑を望む声は高かったが、 俺はそのゲス共を手元にとどめた。 長浜氏は憔悴しきってうなだれていた。 俺はあの居間でテーブルをはさんで向かい合い、黙っていた。 居間にゆっくりの姿はない。 長浜氏の邸宅から、ゆっくりの姿は一掃されていた。 すべて加工所に送られていた。 もはやゆっくりの姿を見るのも嫌なのだろう。 先日は、道端で出会った野良ゆっくりにあまあまを要求され、 長浜氏らしからぬ激昂を見せて踵で一息に踏みつぶしていた。 いまではゆっくり愛護会の会長も退いている。 重苦しい沈黙が流れたが、 やがて長浜氏が言った。 「すべて私のせいだ」 孫と同じ事を言う老人が悲しかった。 「ただ一度だけ、一度だけ叱りつけてやればよかった。 強くたしなめれば、あの素直な孫は言うことを聞いてくれ、あんなことはやめたろう。 私がそれをせず甘やかしたために、たった一人の孫娘とひ孫を、君の妻と娘を死なせてしまった」 「お祖父さん」 「私を恨んでくれ」 震える老人はひどく小さく見えた。 「それは僕の言う事です……あなたの孫娘を守れなかったこと、深くお詫びします。 このことは、一生をかけて償うつもりです」 「圭一君」 俺は長浜氏に向かって、毅然として言い放った。 「僕は誰も恨んでいません。 僕の恨みは、あのゲスゆっくり共に全て向けられています」 「君の注文どおり、やつらは元の個室でのうのうと贅沢三昧の日々を送っておるよ」 「そのようですね。ありがとうございます」 「どうするつもりかね?」 「どう、とは」 「やつらをどうするのかね」 「質問で返すことをお許しください。 お祖父さんはどのようにしたいとお思いですか?」 「殺してやりたい!」 テーブルに拳を叩きつけて長浜氏は叫んだ。 「この手で引き裂いてやりたい、踏みつぶしてやりたい!! やつらは、やつらは……私は今まで………今ごろになって………」 すべては遅すぎた。 長浜氏は自分を責めていた。 あの日から眠れた日がどれだけあったろうか。 「僕に任せてくださいませんか」 「……どうするのかね」 「一息に殺したところで、この恨みは晴れるものではないでしょう」 俺はノートを取り出し、長浜氏の前に置いて言った。 「僕は人をやめます。どうぞ軽蔑してください」 俺の顔を見てから、長浜氏はゆっくりとページをめくった。 彼は眼を見開いた。 ノート一冊分にびっしりと書き込まれたそれは、俺の計画書だった。 「これは……」 「あの日から書き続けていました。まだ未完成ですが」 眉をひそめてそのノートを食い入るように見つめていた長浜氏は、 自分の頬を掴みながら呻いて言った。 「……わたしはかまわない。 しかし君は……それでいいのか」 「はい」 「君にはまだまだ先の人生が残っている。 こんなことに……こんなことで……人間を捨てることはない」 「僕はこれから先の人生を、あのゆっくり共に捧げるつもりです」 「私がやる。これは私がやろう。しかし君は」 「これから先、同じ犠牲者を生まないためです。 そしてこれは、ゆっくり達のためでもあります」 「こんなことが?」 俺は頷いた。 狂人と思われようとかまわなかった。 「ゆっくりは苦しむために生まれてきたんですから」 「……それは」 「あの生物がどういう生き物なのか、ようやくわかったんです。 あいつらは弱い。痛みに弱く、耐久性もなく、ひどく簡単に苦しみ、壊れる。 そのくせ悪意や闘争心が強く、強い外敵に向かって無謀な喧嘩を売り、執拗に挑発する。 どこにも根付くことができないくせに、どこにでも入り込む。 そんなゆっくり共が生物として安定している状態は何か、ずっと考えていました。 そしてそれは、苦しんでいる状態でした」 「それは、君……いくらなんでも」 「そう考えれば、すべてにつじつまがあいました。 やつらの行動はすべて、苦しむというただそのことに向けられている。 生まれては死に続け、憎まれ虐げられつづけるゆっくり共は、 そのことですでに生物としての目的を達しているんですよ」 「………」 「僕は残りの一生を、やつらのために捧げます。 今こそ僕は、苦しむために生まれてきたやつらの奴隷になりましょう。 人間のために、ゆっくりのために、お互いの種の安定を目指そうと思います」 「圭一君」 力なくうなだれ、長浜氏は言った。 「君は変わったな」 「変わりました」 俺は答えた。 計画は実行されることになった。 計画には長浜氏が全面的に尽力してくれることになり、 さらに二か月間が準備期間にあてられた。 都心からそう遠くない、しかし奥まった山奥の廃墟が選ばれ、 目的のために改築された。 その間、ゲスどもはあの個室で贅を尽くしていた。 長浜氏や俺の指示に従い、使用人たちは毎日やつらの面倒を見ていた。 実行の日。 今、俺は改築された建物の中で、 大きなテーブルの前に立っている。 テーブルの上には、睡眠薬を食事にまぜられた十三匹のゆっくりが眠っている。 「ゆぴぃ……ゆぴぃ……ゆぴぃ……ゆぴぃ……」 あの日、俺の部屋に侵入してきたまりさとれいむ。 まりさが外から連れ込んできたありす。 それぞれが50cmのバランスボール大だった。 そしてその子供、子れいむが三匹、子まりさが三匹、子ありすが四匹。 十匹とも30cm大のバスケットボール大。 テーブルを囲むのは、計画の実行に関わる人々。 長浜邸の使用人やゆっくりの研究者たち。 計画のリーダーは俺だ。 俺の計画を、これからこの手で実地に行うことになる。 こいつらのために、持てるすべてを捧げよう。 涎を垂らしながら泥のように眠りこむゆっくり共に向かって、 俺は静かに声をかけてやった。 「ゆっくりしていってね」 続く
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酔った勢いで書いたゆっくりありす制裁物です。かなりグダグダかつ、話に脈絡があり ません。酔っ払いのグダグダ文章に興味が無い方、読んでて何かしらの違和感を感じた 方、地域ネタが嫌いな方はプラウザのバックボタン押下推奨。約80字改行です。 「ばでぃざあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ゙!!!」 「やめでええええええ!まりぢゃいっぎだぐないいいいいいい!!」 「づん゙でれ゙なばでぃざぼがばい゙い゙よ゙お゙お゙お゙お゙お゙っ!!!」 ったくうるせぇったらありゃしねぇ。最近俺の裏庭がレイパーありす(以下、糞)の待機 所(?)と化した。そのせいでここ最近、ありす共の一方的かつ迷惑で独りよがりな言葉 攻めと、攻められたゆっくりによる果てしない悲鳴が裏庭に響く。そしてその大音量に 目が覚める。数日前も朝の4時からこいつ等に叩き起こされる破目になったばかりだ。 まあ、精神衛生には悪いが一応目覚し時計ではあるから少しは有難いがな。欲を言えば もう少し稼動するのが遅ければ最高なんだがな。 つーか、朝の4時に何していたんだよ、襲われた奴は。 それはともかく、どうにもこうにも腹が立ってたんで、眠い目を擦りながら数日前に捕 まえたゆっくりまりさを窓からぶん投げた。その傍から新たに放り込まれたゆっくりに 群がる糞ありす共。ったく、こいつらはオ○ニー覚えた猿かっつーの。 とりあえず家からミキサーを用意し、糞共が夢中になっている間に奴らとの間を 詰める。途中すっきりーとかキモい声が聞こえたが、ヤることに集中していたお蔭で 後ろがガラ空きだ。簡単に捕まえることが出来た。どんどんしまっちゃうおじさん顔負 けの速さで透明な容器に糞共をぶち込んでいく。 「おにいさん!なにするの!!とかいはのれでぃをすんどめするなんて、とんだ いなかものね!!」 「いなかもののおにーさんはゆっくりだしてくれればゆるしてあげなくもないわよ!! 」 とか言いやがる。快楽を中断させられた腹いせだろうか。立場も理解していない上に うるせー奴らだ。テメーらの仲間はテメーらのせいでヤリ殺されたっていうのによぉ。 一匹鷲掴みする。 「いだいいだい!!とかいはの「その『とかいは』ってのがウザいんじゃボケが !!」 と言って思い切り容器へと投げつける。ゆ゙ぎゃっ、という悲鳴と共にデスマスクと 成ったのを確認し、蓋を閉じる。これでウザいとかいは宣言も無くなるだろう。ま、 『とかいは』を自称するのになんでこんな糞田舎にいるんだ~?って言葉攻めしても 良いが、それは専門職の方のお仕事だ。奪う訳にはいかんだろう。 とりあえず怯える糞共が喧しかったのでその容器を蹴り飛ばし、奴らを黙らせる。 ふと足元に視線を向けると、足元には先ほど投げ込んで犠牲になったゆっくりまりさが 居た。頭から茎を数本、その茎の先には赤ゆっくりを、合わせて十数匹実らせ息絶え絶 えになっていた。さて、これから指導タイムを始めるか。 ゆっくりまりさから茎を引っこ抜く。保護ゼリーの中ですやすや眠っていた赤ゆっくり だが、暫くすると「ゆ゙っぐっ!ゆ゙っぐっ!」「ゆ゙ぎぎっ!」と保護ゼリーの中から 悲鳴を上げる。本来送られてくるべき母体からの栄養が途絶えたからだろう。 「「「「やべでえ゙え゙え゙え゙っ!!どがい゙ばの゙あ゙り゙ずのあがぢゃん゙がーー!!! 」」」」 「うっせ黙れボケ」 そういって俺は容器の蓋を開けて糞共を一匹ずつ拳骨を食らわした。そして取り出した ミキサーの中へ茎と赤ゆっくり、そして煩い糞一匹を入れ、ミキサーのスイッチを入れ る。 「うぎゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!あ゙り゙ずの゙あ゙ん゙ご…… !!」 「ゆぎゅゔゔゔぅぅぅっ……」 ったく、こいつらの煩さといったらありゃしねぇ。産まれもしていねぇ糞ガキの頃 から騒音公害指定物だろ常考、と思っている内にとかいは(笑)ありすの親子丼 ジュースの出来上がりだ。 頭の茎を引っこ抜いたせいで気絶していた死にかけゆっくりまりさの口を無理やり こじ開け、ジュースを流し込む。俺が作った特製ジュースのお陰か、まりさの顔色が 徐々に良くなり、活き活きとしてくる。 続いて仲間と、仲間とともに子作りして出来た子供たちの末路を見て震えていた糞共だ 。一匹ずつ捕まえてジュースを流し込み、口を押さえて拳骨を与えて無理やり嚥下させ る。 「どうだ、テメェら糞共がレイプして出来たガキとレイプ仲間をミキサーにかけて作っ た親子丼ジュースは。吐いたりしてみされ。ジュースの具材にすっぞ。分かってんのか 、あ?」 顔を青くして震えている。流石にレイプがOKなこいつ等でも共食いはNGのようだ。 「ま、嫌な顔せず、ゆっくり飲んでいきまっし!!」 そういって糞共全てに親子丼ジュースを飲ませた。いい気味だ。テメェらの腐れザー○ ンから出来た糞ガキ共だ。そりゃあ腹になじむだろうな。 その後徹底的に殴る、蹴る、踏む。 「「「「どぼじで…ごんな゙ごどずるの゙…!?」」」」 「性欲に負けてレイプするとこうなるんや。それともテメェらの小せぇナニ切り取って やろうか、どうや?」 「「「「ゆぎい゙ぃぃぃーーごめんだざい゙い゙い゙ーー!!!」」」」 これでレイプすると酷い目に遭うことを理解できただろう。ま、忘れてもまた目の前で 仲間と子供をミキサーにかければ暫くの間はレイプする事はないだろう。 紐で糞共を縛り、最終準備完了。 「おら、とっとと失せろ性欲の奴隷以下の絞りカス共が」 そういって俺は糞共をハンマー投げの様に投げ飛ばした。おととい来やがれ糞が。 「ゆ゙ゔゔゔ~~~~~」 忌々しい声とともに消える奴ら。さて、朝から汗をかいた。早くシャワーをして出勤 準備をせねば。 ~~~~~~~~~~ 「ゆっくり?」 「そう。わしの家の近辺にまで現れおった。喧しい奴らじゃわい。この前も21世紀美術 館と県立図書館、さらに中警察署が奴らの被害に遭ったばかりじゃ。」 「博士、彼らは一体何なのでしょうか?」 「それが皆目分からんのじゃ。北斗のコンピュータでも調べてみたんじゃが、奴らに関 する情報が出てこなかったんじゃ。その後、2011年に飛んでみたところ、ルビーロマン が奴らのせいで出荷不能になる事態に発展するほど繁殖してたんじゃ。油断も糞もない わい。」 「…はぁ。」 ~~~~~~~~~~ 先日した博士との話を思い出しつつ、俺は出勤準備を進める。 糸冬 このSSに感想を付ける
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俺はただの人間だ。 今日は用事で紅魔館の近くまで来ているんだが、何時見てもこの屋敷にはイライラさせられる。 理由は、主人のレミリア・スカーレットだ。 たまに、従者を連れて街まで来るのだが、好き放題言い放って帰っていくだけだ。 俺の露店の商品も何一つ買っていかない。 気が付くと無くなっているので、何かしらの能力を使って盗んでいるのかもしれない。 そんな理由で、イライラしながら紅魔館の近くで用事を済ませる。 粗方終えたところで、不意に前に子供が歩いているのが目に入った。 いや、良く見ると子供じゃない、紅魔館の庭に住んでいるとか言うゆっくりれみりゃの希少種だろう。 うわさに聞くと、従者からの寵愛がすさまじく、実際の主より可愛がられているらしい。 箱入り娘といったところか。 「うっうー♪」 よたよたと、自分で日傘をさして散歩しているようだ。 従者の真似なのか片腕にもう一本同じ日傘をぶら下げている。 いや、違う。人一倍耳のいい俺は、紅魔館の近くから。 また、れみりゃさまがいなくなりました。 とか。 れみりゃさま、おいしいプリンですよ~。 とか言っている声を聞くことができた。 どうやら、自分に付きっ切りの従者の目を盗んで、散歩に来たらしいな。 あの様子だとなんどか抜け出しているようだし。 「う~。う~」 興味深そうに、うろうろしているゆっくりは放っておいて自分の作業を再開する。 今探しているのは、ゆっくり魔理沙か霊夢だ。 既に籠は一杯だが、あと一匹くらいは入る余裕がある。 その籠のゆっくりの声が気になったのか、一匹のゆっくり魔理沙が飛び出してきた。 「おじさん、せなかにせおってるなかから、ゆっくりのこえがきこえるよ」 「これかい、これはとってもゆっくりできる機械だよ」 警戒されないために、真っ黒く縫ってある籠は、一見すると大きな筒のようにも見える。 「ゆっくりできるの!おじさんまりさもゆっくりしたいよ」 どれ、ちょっと待ってな、と言おうとした時、ゆっくり魔理沙が悲鳴を上げた。 振り返るとそこには、傘を器用に肩に掛け、ゆっくり魔理沙を両手で加えて美味しそうに食べるゆっくいりれみりゃ。 迂闊だった、色々な偶然が重なった。 れみりゃ種はゆっくりを食べる、それは知っている。 それに、飼われているといってもあの紅魔館だ、普通の家と違って毎日ゆっくりを食事に出すなんてわけが無いだろう。 しかも、当のゆっくり魔理沙はこれに興味心身だった。 たとえ、弱らせて出されていたとしても、動かないでじっとしているゆっくりを食べるのは造作も無いことだろう。 どうせまた勝手に散歩に言ったんでしょ。 嫌なのよ、あいつほかのゆっくりと違って体まであるんですもの。 私が、ノータリンのちんちくりんに思われるじゃない。 とにかく、今日の夜まで戻ってこなかったら、金輪際ここには入れないこと。 分かったあなた達、咲夜も! もしきたら、殺せとは言わないは、直ぐに追い返しなさい。 あーもう!お気に入りの日傘まで持ち出したのね。 咲夜、今すぐ香霖堂かすきまの所へ行って新しい日傘を準備して。 「う~♪ いっぱい」 ショックのあまり、また聞き耳を立てていたらその間に食べ終わったらしい。 近くに、一つの山高帽だけが残っていた。 お腹が膨れて満足したのだろうか、紅魔館の方向へ向かっていく。 その後姿を、紅魔館の主に重ね合わせていると、無性に腹立たしくなった。 あいつが俺の獲物を取ったのだから、俺もあいつから取ればいいんだ。 ダッシュで近づいて帽子を奪う、れみりゃはその拍子に転んだようだ。 「うー!うー!」 帽子がそんなに大事だったか、俺を追いかけてきた。 それでも、懸命に日傘をさしているあたり、実際の主の真似なんだろうか。 ゆっくり種は、日に当たっても灰にはならないと言うのに。 そのまま、ちょこちょこと追いかけてくる。 顔は可愛らしいまでに泣いてるが。 そのまま俺の家まで着いてきやがった。 農村同士の中間にある俺のは、真昼間なのに人気が殆ど無い。 取り合えず、勝手に中まで入ってきたこいつに、帽子を返してやることにする。 「う-!」 ははは、可愛らしく頬を膨らませてやがる、さて、それがどうなるかな? 家の外に放り出す。 すると、腹いせだろうか扉を何べんか叩いた後、慌てて日傘を差した。 あたりをキョロキョロと見回してるところを見ると、どうやら道が分からないらしい。 そりゃそうさ、追いかけっこが始まったのは10時前、今はとっくにお昼も終わってるぜ。 「う~? う~?」 帰りたくても、帰り方が分からないらしい。 何時は側にいる従者も居ない事が余計不安を加速剤になっている。 そういえば、俺も殆ど何も食っていなかった。 さてと、俺もそろそろお昼にしますかね。 がらっと、扉を開ける。まだれみりゃは玄関にいるようだ。 「どうしたの、帽子は返したからもう帰ったら?」 「う~う~」 あらら、また泣き出した。 「ここにいると邪魔なんだよ!さっさと帰れ!!」 「う゛あー!!」 おっと声が大きすぎた。……しょうがないな。 「!! ……うー」 れみりゃを抱いて歩き出す、手を引こうかとも思ったが、如何せん身長差がありすぎる。 「う~♪う~♪」 はいはい。泣けばいう事を聞いてもらえて良かったね。 近くの山々の谷間辺りまで連れてきて、地面に降ろす。 また何か言っているようだが、無視することにした。 日傘を奪って地面に刺す、ちょうど下に木の根が延びていたの様なので、持ち手の部分を引っ掛けた。 ……これ、こうすることを考えていたみたいに急激にまわっているな。 次に落ち葉などをかけて、即席ゆっくりの巣の出来上がりだ。 「ほら、家を作ってあげたよ。昔はこうやって過ごしてたんだろ?」 感謝の言葉を期待したが、まったく無かった。 心優しい俺が、きちんとゆっくりが多く居るあの山を選んであげたのに。 俺は複雑な気持ちで家に帰った。 続く 選択肢 投票 しあわせー! (3) それなりー (4) つぎにきたいするよ! (6) 名前 コメント すべてのコメントを見る
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「あんたさあ、私達以外にリアルの友達って居たことあるの?」 「えっ」 それまでもきゅもきゅとコロネを貪っていたこなたが、びくっとその動きを止めた。 「? ちょ、ちょっとこなた……?」 「…………」 何気ない一言のつもりだった。 飄々としたこなたのこと、どうせ何かしらのネタで返してくるに違いない…… かがみはそう思っていた。 「………うっ」 こなたが嗚咽を漏らすまでは。 「!? こ、こなた!?」 予想外の展開に、かがみは動揺した。 「……えぐっ、うっ……」 こなたは泣いていた。 小さな肩を震わせ、ぽろぽろと涙を零していた。 「あ、あっと、えっと……」 困惑し、狼狽するかがみ。 どうすればいい? 否、頭ではわかっていた。 このいたいけな少女を泣かしたのは他でもない自分なのだ。 今すぐにでも、自分は心の底から謝罪をしなければならない。 しかし、それを伝える言葉が浮かんでこない。 ごめんなさい? 悪かったわ? 冗談だったのよ? 違う、違う、違う。 そんな言葉じゃないんだ。 今眼前ですすり泣いている親友に向けるべきものは、そんな言葉じゃなくて―― 気が付くと、かがみはこなたを抱きしめていた。 「……かがみ……?」 ふと顔を上げ、きょとんとするこなた。 「…………」 かがみは何も言わず、黙ってこなたを抱きしめる。 ぎゅっと、強く。 「……かがみ……」 こなたの表情が和らいでいく。 「……ごめんね」 「ううん」 「ごめん……」 「もういいよ、かがみ」 こなたは笑った。 すっかり、涙は枯れていた。 あの頃の自分。 泣いてばかりいた自分。 そんな自分も、今度こんな風に抱きしめてやろうと、こなたは思った。 コメントフォーム 名前 コメント oh...sogood -- 名無しさん (2024-03-07 23 41 50) GJ! -- 名無しさん (2022-12-18 11 35 21) 完全なギャグかと思ったら、意外と真面目な話だったな。 -- 名無しさん (2012-11-23 10 49 44) 口を尖らせて涙をこらえるこなたを想像すると 萌え死にそう -- 名無しさん (2011-10-23 18 25 41) えと・・んと・・ -- 名無しさん (2010-01-15 22 20 38) いやいや、俺の嫁。 -- 名無しさん (2010-01-15 07 12 35) こなたは俺の嫁 -- 名無しさん (2009-12-07 19 56 20) ★★★★★ -- マヨラ (2008-10-05 02 52 30)